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【森雅史の視点】2023年11月7日 AFCチャンピオンズリーグ 川崎フロンターレvsBGパトゥム・ユナイテッドFC

ACL MD4 川崎F 4(2-2)2 パトゥム
19:01キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数9,441人
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スコアを見れば川崎の快勝であり、メンバーを見ればケガから選手が戻ってきて万全に近づいたと感じられるだろう。だが、川崎は万全とはほど遠かった。特に前半はパスミスが多く、コンディションもコンビネーションも整っていないことがよく分かる展開だった。1失点目はチョン・ゾンリョンがゴールキックをチャナティップに渡すという大きなミスから。2失点目はデフレクションがあったものの、かき回されていたことを見逃してはならない。

一方で、川崎にとってこの試合で必要だったのは内容よりも勝点3だった。これで川崎は4連勝を飾り、グループ首位をキープしている。各グループの1位と、各地域のすべてのグループ2位のうち上位3クラブがノックアウトステージへ進出できることを考えると、現時点で他の2位のチームが4試合を終えて勝点12に達することはなく、川崎のトーナメント進出は非常に確度が高くなったと言えるだろう。このチーム状態でしっかり成果を出した点は評価しておくべきだ。

川崎は今の間にチームを整えていけば今回は今までよりもいい成績が臨めるかもしれない。ただし、ノックアウトステージは来年の2月から。チーム編成が変わり、来シーズン仕様のチームが指導し始めてばかりで挑むことになる。試合後半になり、次第にパスの精度が上がってきたのを考えると、このチームでなくなるのは残念だ。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート