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【六川亨の視点】2023年4月23日 J1リーグ第9節 川崎フロンターレvs浦和レッズ

J1リーグ第9節 川崎フロンターレ1(0-0)1浦和レッズ
16:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数22,304人
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ここまで2勝2分け4敗の13位と勝ちきれない川崎F。対する浦和は公式戦10試合で負けなしと好調を維持している。そんな両チームの現状が反映された試合だった。

試合の主導権を握ったのはリーグ戦でホーム初勝利を目指す川崎Fだった。前線からのプレスと鋭い出足、豊富な運動量で浦和のビルドアップを封じた。しかしボールを握っている割にはゴールが遠い。逆に浦和はカウンターから決定機をつかんだものの、GK上福元直人の好セーブに阻まれた。そして後半3分、FW家長昭博がこの試合で初めてタテに突破して右足でクロスを送ると、MF脇坂泰斗が左膝のトラップから右足ボレーで叩き込んで先制した。しかし、その後の脇坂のシュートやジョアン・シミッチのミドルは右ポストを痛打するなど追加点を奪えない。

そして後半35分、マチェイ・スコルジャ監督が3人同時に交代カードを切ると、1分後、この試合がリーグ戦デビューのMF早川隼平のスルーパスから最後はブライアン・リンセンが同点弾を突き刺した。これで今シーズンの等々力での試合は3分け2敗と未勝利が続いている。「勝たなければいけないゲームだったし、勝ちたかった。それがすべてだった。少しずつ進んでいることは間違いないが、やはり勝たないといけない」という鬼木達監督のコメントにも実感がこもっていた。

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。