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【田村修一の視点】2023年4月15日 J1リーグ第8節 川崎フロンターレvs名古屋グランパス

J1リーグ第8節 川崎 1(0-2)2 名古屋
15:04キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数 17,304人
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川崎の苦境が続いている。この試合から始まるホーム3連戦(ルヴァンカップも含む)は、巻き返しのきっかけになるハズだった。その緒戦を落とし、多くの主力を欠く現状の戦力では局面の打開が簡単ではないことを露呈した試合となってしまった。鬼木監督が強調する運動量は、パスを受ける位置取りのことであり、その場所とタイミングを確保できない限り全盛時のスムーズなパスワークは望めない。そこをどこまで回復できるか。やるべきことはわかっているだけに、ホームゲームが続く中でどれだけ構築できるかが問われる。

一方、名古屋と長谷川監督には、この日の勝利は川崎に対するコンプレックスを払拭するための重要なプロセスだった。2012年以来の等々力競技場での勝利、またFC東京監督時代から川崎には辛酸を舐め続けてきた長谷川監督にとって、今季名古屋が2010年以来の優勝を果たすのであれば、最重要な意味合いを持った試合と言えるのだろう。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。