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【六川亨の視点】2023年4月8日 J2リーグ第8節 大宮アルディージャvsモンテディオ山形

J2リーグ第8節 大宮アルディージャ2(1-1)1モンテディオ山形
14:03キックオフ NACK5スタジアム大宮 入場者数5,723人
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開幕直後こそ連勝スタートだったが、その後は5連敗でピーター・クラモフスキー監督との契約を解除し、渡邊晋コーチが新監督に就任した山形。一方の大宮は、ホームで負けなしの3連勝中だが、アウェーは4連敗という“内弁慶”ぶり。加えてチームを牽引してきたFWアンジェロッティと中野誠也が相次いで負傷。悪いことは重なるもので、FW河田篤秀を鳥栖に放出したばかりでの山形戦だった。

そんな両チームの対戦で明暗を分けたのは、相馬直樹監督のシステム変更だった。それまでの大宮はアンジェロッティと中野の2トップによる4-4-2を採用。しかし2人がいないため、「富山と室井の2トップも考えた」ものの、富山貴光の1トップに、テクニシャンのMF小島幹敏をトップ下に置く4-2-3-1だった。

これに対し渡邊監督は「いままで2トップで来ていたのがケガで小島をトップ下。我々が準備してきたことができなかった。ミスマッチとなった。ぶっつけ本番みたいな形になった」と戸惑いを隠さなかった。

混乱する相手に前半7分、右CKから最後は左SB茂木力也のゴールで大宮が先制する。山形は前半39分にFWチアゴ・アウベスとデラトーレの2人によるカウンターから同点に追いついたが、後半はフレッシュな選手を早めに投入した大宮に劣勢を余儀なくされる。そして後半36分、「決勝点のような、ああいうところ(ペナルティーエリア)でプレーしてくれることを期待していた」(相馬監督)小島の突進が山形DFの反則を誘ってPKを獲得。これをMF柴山昌也が右スミに決めてホームの連勝を4に伸ばした。

J2リーグでは同じく監督の交代した清水が東京Vに2-1と逆転で今シーズン初勝利を奪ったものの、山形は監督交代の効果もなく6連敗となった。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。