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【六川亨の視点】2022年5月28日 J2リーグ第19節 東京ヴェルディvs大宮アルディージャ

J2リーグ第19節 東京ヴェルディ 1(1-0)1 大宮アルディージャ
18:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数4,686人
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5月25日の第18節・琉球戦に1-0の勝利を収めて連敗を2でストップした大宮だったが、翌26日、クラブは霜田正浩監督の解任と相馬直樹氏が監督に就任することを発表した。

そして「突然の形で監督に就任して、中2日の短い時間の戦いになった」(相馬監督)という28日の東京V戦は、前半に先制点を許したものの後半は前線からのプレスで主導権を握り、カウンターからFW奥抜侃志が同点ゴールを決めて1-1の引き分けに持ち込んだ。

前半の大宮は、目を覆いたくなるほど酷かった。3本とパスはつながらない。相馬監督自身も「ここまで攻撃できないとは思っていなかった」と正直な感想を口にした。失点はボランチ三門雄大の、MF小島幹敏へのタテパスをボランチ加藤弘堅にカットされ、MF石浦大雅につながれてのカウンター。今シーズンの大宮を苦しめている「ミスからの失点」(相馬監督)という悪癖は、そう簡単には治らないようだ。

それでも後半は、前半とは打って変わって素早いプレスからマイボールにすると、球離れの速さで東京V陣内に攻め込んだ。そして奥抜のゴールで追いついた後も波状攻撃から決定機をつかんだが、ここで決めきれないのが今シーズンの大宮でもある。相馬監督の初陣は1-1のドローに終わったが、それは昨シーズンの霜田監督の初陣ともオーバーラップする。試合内容に結果が伴わず、昨シーズンは引き分け試合が多くて残留争いに巻き込まれた。

相馬監督はこうした悪循環を断ち切り、チームを降格争いから抜け出させることができるのか。手腕を問われるのはこれからだが、せめてもの救いは後半アディショナルタイム3分、新井瑞希の左クロスを逆サイドでフリーの小池純輝がヘディングシュートを放ったものの、クロスバーを越えてタイムアップを迎えたことだ。いままでならこれが決まり、ダメージの大きい敗戦というパターンが多かったからに他ならない。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。