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【森雅史の視点】2022年9月18日 J1リーグ第30節 横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌

J1リーグ第30節 横浜FM 0(0-0)0 札幌
14:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数 20,341人
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「胸突き八丁」という言葉がある。富士登山で八丁目にある険しい道のことで、転じて物事を達成しようとするとき、大詰めで一番苦しいところの意味で使われる。前日までに8位までのチームがすべて引き分けて勝ち点を伸ばせなかった中、ここで勝点3を挙げれば優勝は目の前に迫るという大一番だった。だが、中3日で臨んだ横浜F・マリノスは相手以外に疲労、そして湿度90パーセントという強敵と戦わなければいけなかった。

この試合の総走行距離は108kmとこれまでの平均118.0kmに比べると10kmも少なかった。いつものようにプレスをかけてボールを奪おうとするのだが、なかなかその時間帯が続かない。特に前半は斜めにパスをつないでプレッシャーをかいくぐる札幌の組み立てを引っかけることが出来なかった。逆に札幌は左右に大きく展開することで横浜FMのひずみを作り出し、チャンスを作り出す。後半に入って横浜FMは選手交代でテコ入れしたが、札幌もすぐに対応して隙を作らない。結局両チームとも得点を挙げることなく試合は終了した。日本にはまだターンオーバーをこなせる戦力を持つチームはないということだろう。

ここからインターナショナル・マッチデーに入るためJ1リーグは10月1日に再開する。この勝点1で、10月以降の優勝と残留争いに楽しみがたっぷり残ったと考えておこう。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート