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【森雅史の視点】2021年10月16日J1リーグ第32節 横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌

J1リーグ第32節 横浜F・マリノス 2(0ー1)1 北海道コンサドーレ札幌
19:02キックオフ 日産スタジアム 入場者数11,502人
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ハーフタイムに札幌の野々村芳和社長は「これくらいはいつもできる。ところが(ゴールが)入らないし入れられる」と表情を変えずに語った。この試合も社長の言葉どおりの展開になる可能性は大いにあったと言えるだろう。

24分、菅大輝がミドルシュートを叩き込んで札幌が先行したのもも、なぜ1点止まりなのか不思議なほど札幌は決定機を作り続けた。横浜FMの守備陣の奮闘がなければ前半で4点、後半は55分、56分と立て続けにゴールに迫るなどボールとゲームを支配した。そして決めるべきときに得点を奪えなければ、相手に流れは移る。

横浜FMがこの日の最後の交代で水沼宏太と杉本健勇を投入した74分過ぎがまさにそういう展開になった。動きが鈍くなった札幌を前後左右に揺さぶり攻勢を強める。札幌も79分にジェイとミラン・トゥチッチを投入して横浜FMの圧を弱めて逃げ切りを図るがラインの間隔が狭まりすぎて横浜FMの連続攻撃を許してしまう。そして84分、エウベルのクロスに杉本がヘディングで合わせて同点に。こうなると横浜FMの勢いはますます加速する。

88分、天野純の右足のクロスを前田大然がミートして横浜FMが逆転。まるで劇的なシナリオがあったかのような展開で横浜FMが2-1と勝利を収め、川崎追撃の火が消えていないことを証明した。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート