【森雅史の視点】2022年9月10日 J1リーグ第29節 川崎フロンターレvsサンフレッチェ広島
J1リーグ第29節 川崎 4(0-0)0 広島
18:33キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数 20,873人
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「抱きしめタイ」とタイ絡みのイベントを打ち、シントン駐日タイ王国大使まで呼んでおきながらチャナティップを出したのは後半アディショナルタイムという、シリアスモードに徹した川崎が上位対決で圧倒的な力を示した。しかし川崎の1点目が決まるまでは広島が大勝するのではないかと思われる展開だった。
前半立ち上がり、川崎の守備ラインがボールを持つと、広島は素早くパスコースを消してロングボールしか出せないように追い込んだ。次々に追われて川崎にもパスミスが続出する。後半強い広島にとって、前半からこういう展開になれば広島の勝利は約束されたものと考える材料は揃っていた。
だがそこに家長昭博がいた。30分過ぎ、やっと川崎がショートパスをつないで組み立て、左サイドを崩す。そのとき、さりげなくペナルティエリアに進出してきた家長が丁寧に合わせて主導権を奪い返した。
後半、広島は森島司と満田誠を投入して巻き返しを図ろうとする。ところが2人が力を発揮しようとする前に脇坂泰人が追加点を決めた。焦る広島は動きがバラバラになり、川崎のダイレクトパスが次々に通るようになる。脇坂はPKまで獲得して知念慶が決定的な3点目を奪い、家長のダメ押し点もあって川崎が4-0と大勝した。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート