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【森雅史の視点】2021年4月18日 J1リーグ第10節 川崎フロンターレvsサンフレッチェ広島

J1リーグ第10節 川崎フロンターレ 1(1ー0)1 サンフレッチェ広島
14:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数9,720人
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川崎の弱点が急に表に出始めたのは65分、森島司が同点ゴールを決めた場面の直前だった。大迫敬介からのロングフィードを競り合ったのはジュニオール・サントスとジェジェウ。このバトルに勝ったジュニオール・サントスが中を向くとカバーリングが遅い。そのままゴール前まで持ち込まれて放たれたシュートがポストに当たって森島の前にこぼれた。

ジュニオール・サントスが外に流れることで攻め上がった山根視来の裏を取り、ジェジェウ近くをカバーする選手が出てこない。69分にも同じようなプレーでジュニオール・サントスは抜けだし、このときは川崎が守ったものの、広島が狙っていたポイントだったのは間違いない。これまではジェジェウが多くの似たような場面で相手に勝っていたため明らかになっていなかった川崎の潜在的な弱点だった。

さらにもう一つ、川崎の問題点も浮かび上がった。それはボランチとしてプレーしていた田中碧が一列前にポジションを移した71分以降のこと。攻守に抜群の活躍を見せていた田中がFWの近くでプレーすることになると最後のパスに一工夫が加わるが、今度は田中のところまで縦に入るボールが少なくなる。となるとリズムが作れなくなり広島に主導権を渡す時間が続いてしまった。田中への依存度の高さが見えたと言えるだろう。

ここまで欠点が何も見えなかった川崎にもやはりウイークポイントはあった。今後、いろいろなチームが攻略策を練るだろう。4月29日アウェイ、5月4日ホームという名古屋との連戦を前に今年も盤石に見えた川崎に少し影が差してきた。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート