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【町田】PIN POINT CHECK【マッチプレビュー/カマタマーレ讃岐戦】

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【★無料公開】PIN POINT CHECK【マッチプレビュー/カマタマーレ讃岐戦】町田日和

■明治安田生命J2リーグ第39節・10月15日(日)15:00キックオフ
町田市立陸上競技場
FC町田ゼルビア vs カマタマーレ讃岐

▼「必死に戦ってくる相手を上回らないと」(森村昂太)

前節の横浜FC戦は監督解任直後のチームと対戦し、今節は残留争いの渦中にあるカマタマーレ讃岐と戦う。J1昇格、J2残留。大きな目標を抱えるチームとの対戦が続く中、FC町田ゼルビアにも、この試合における明確なモチベーションが存在する。それはリーグ戦8試合ぶりの勝利と、7月16日第23節の水戸ホーリーホック戦以来となるホームゲーム勝利である。

週末の讃岐戦に向けての準備期間を24日に立ち上げたチームは、相馬直樹監督から「自分たちからトライしていく姿勢を打ち出していこう」との働きかけがあったという。J2残留を目指す讃岐は、士気高く敵地に乗り込んでくるため、「必死に戦ってくる相手を上回らないといけない」(森村昂太)。チームが重要視しているハードワークで上回り、奪ったボールを素早く敵陣深くまで運び、相手に前から圧力をかける戦い方を貫く。その過程で先制点を奪い、試合を優位に進めることが勝利の可能性をより高めるはずだ。

また、讃岐との前回対戦は一つの参考材料になるが、第2節での対戦だったため、むしろ参考になる部分は少ないかもしれない。夏の移籍市場ではJリーグでの実績も豊富なブラジル人のアレックスが加入するなど、決して小さくはない戦力面での変化もある。夏場の讃岐はクラブ記録の5連勝を飾るなど、アレックスの存在が一役買っていたことだけは間違いない。

「アレックスは経験豊富で守備でも攻撃でも気の利いたことができる選手。彼の位置で自由にゲームを作られるような展開になると試合が難しくなる。でも、自分たちのゲームにできれば、彼を良い形でプレーさせる機会を減らせると思う」(相馬監督)

相馬監督がそう話すように、”アレックス封じ”の視点に傾倒するよりも、重要なことは結果的にアレックスに仕事をさせないこと。相手に引っ張られ過ぎて、自分たちの戦い方を見失ってしまっては本末転倒である。

ゲーム運びという視点でのポイントは先制点か。「先に点を取られると、守備を固められて厳しくなる。ウチが先手を取る展開を作れれば、チャレンジするプレーを増やせるのかなと思っている」と奥山政幸。”リトリート”守備は讃岐の十八番だ。同サイドに人数をかけてアタッキングエリアまでボールを運ぶという攻撃の糸口を有しているとはいえ、引いた相手を崩すことは容易ではない。

試合の入りからアグレッシブな姿勢を貫き、「自分たちの戦いを90分間どれだけできるか。それに尽きる」(相馬監督)。あとは「いかに点を取って、失点をゼロに抑えるか」(中島裕希)。チャンスで決め切る。キワを制する。攻守両面において、”最後の精度”も当たり前のように勝負の鍵を握っている。

Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)
Photo by ©︎FC町田ゼルビア


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