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【森雅史の視点】2021年12月19日 天皇杯決勝 浦和レッズvs大分トリニータ

第101回天皇杯決勝 浦和レッズ 2(1-0)1 大分トリニータ
14:04キックオフ 国立競技場 入場者数57,785人
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大分の同点ゴールが決まったのが90分、そしてその3分後に槙野智章の決勝ゴールが生まれた。同点にされる前に浦和は5バックにして守りを固める布陣にしており、もし延長戦までなだれ込んでいたら試合はさらに複雑な様相を呈していただろう。浦和にとってはアディショナルタイムの残り少ない時間で守り切るか、あるいはここで試合を決着させるのか難しい判断だった。だがそこで大分のカウンターに備えるのではなく、あえて勝負に出たところに勝利の女神が微笑んだ。

大分にとって惜しむらくは前半の戦いだった。浦和とのミスマッチに苦しんだというのはあるにしても、準決勝の川崎フロンターレ戦ではもっとアグレッシブにボールにチャレンジしていた。後半、形を変えつつ前に出て行ったことでリズムをつかめたのだから、もし前半もっと積極的にゲームを支配に行けば……と、その流れで同点に追いついたことを考えると惜しまざるを得ない。もっとも、J2降格という苦杯をなめながらここまで立て直せた力には敬意を表しておくべきだと思う。来季のチームが楽しみだ。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート