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【森雅史の視点】2021年5月12日 J1リーグ第20節 川崎フロンターレvsベガルタ仙台

J1リーグ第20節 川崎フロンターレ 2(1ー0)2 ベガルタ仙台
19:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数4,752人
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開始早々の3分、復帰したばかりの小林悠が先制点を決め、首位の川崎が19位に低迷する仙台を血祭りに上げるのか。そう思われた試合を仙台が後半2得点を取って追いついた要因は何か。

手倉森誠監督は「(先制点を奪われたが)ピンチをしっかり凌いで前半食い下がってくれた」と笑みを浮かべ、鬼木達監督は「2点目、3点目を取れなかった」「自分たちのサッカーにほど遠いミスがあった」と淡々と振り返った。確かに一番の問題は川崎が前半、攻撃の手を緩めてしまったことだろう。手倉森監督も「いっぱい川崎に助けられた」「(メンバーを入れ替えて)川崎がなめてくれたのかな」というように、川崎は前半圧倒しながらなかなか追加点を奪えない。シュート数も後半の9本に対して前半は6本と少なかった。小林も前半ミスが増え「フワッとしてしまった」と悔やんだ。

もっとも、仙台も中2日での試合だったが、川崎が万全の状態で戦っていなかったのも明らかだった。ジェジェウが投入されたとき、最初に予定された交代選手は登里享平だった。だが実際に変わったのは車屋紳太郎。鬼木監督はその理由を「次にも関係しているので」と明らかにしなかったが、車屋の両足が痙攣を起こしていたとも語っている。再度リードした後も攻めようとしたのは川崎らしいと言えたが、コンディションを考えると無様に見えても逃げ切りを図り、勝点を積み上げてもよかっただろう。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート