【六川亨の視点】2021年9月1日 ルヴァンカップ準々決勝第1戦 浦和レッズvs川崎フロンターレ
ルヴァンカップ準々決勝第1戦 浦和レッズ1(1-0)1川崎フロンターレ
19:03キックオフ 浦和駒場スタジアム 入場者数4,629人
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ルヴァン杯の準々決勝第1戦は1-1のドローに終わった。5日の第2戦は、当然アウェーゴールを奪った川崎Fにアドバンテージがあるかにみえるが、実はそうでもない。浦和はGK西川周作、FWキャスパー・ユンカー、右SB酒井宏樹がメンバー外、CB槙野智章もベンチスタートと主力を温存。それでも1トップに入った江坂任がタテパスを引き出し、ボランチの平野佑一は周囲の状況を的確に把握し、効果的なパスでチームに落ち着きを与えた。
対する川崎FはスタメンにGKチョン・ソンリョン、CBジェジエウ、ボランチにジョアン・シミッチに加え、1トップにはレアンドロ・ダミアンと要所に外国人選手を起用し、ほぼベストメンバーだった。ところが前半35分、ジェジエウの負傷によりCBに入った山村和也が小泉佳穂のプレスを受けてボールを失い先制点を与えてしまう。さらに後半27分、VARからPKを獲得して同点に追いついたものの、33分に自陣ゴール前で浦和のFKに備えていたCB車屋紳太郎が座り込んでしまい、田邊秀斗との交代を余儀なくされた。
気になるのは、交代した2人とも接触プレーで負傷したようには見えず、自分からピッチに座り込んで交代のサインを出し、さらに自力で歩いてピッチを去ることはできず担架で運ばれたという点だ。歩けないということは、足首ではなく膝か筋肉系の負傷かもしれない。いずれにせよ、谷口彰俉に続きレギュラークラスのCBが相次いでリタイアした。
果たしてホームの第2戦までに復帰できるのかどうか。今シーズンは“絶対王者”と思われた川崎Fだが、主力の流出に続きケガ人の続出と、予期せぬアクシデントに見舞われているようだ。
六川亨(ろくかわ・とおる)
東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。