
【田村修一の視点】2026年3月7日 J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第5節 ジェフユナイテッド千葉vs柏レイソル
J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第5節 千葉 2(0-0)1柏
13:03キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者数14,646人
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千葉が柏を2対1と下し、J1復帰後待望の公式戦初勝利をあげた。
ポジティブな気持ちを抱き続けながら、ブレない戦いを継続していく。3年間で築きあげた土台の上に、J1を戦い抜くための武器を身に着けていく。小林慶行監督がいうところの、「幹の部分はそのままに枝葉を変えていく」のは、ひとつ間違うと負のスパイラルに陥ってしまいかねない危うい作業である。
この日の焦点は、J屈指の柏の攻撃力をいかに抑え込むかだった。たしかに前半は、柏にゲームを支配され何度もチャンスを作られた。だが、ボランチを軸に中央の守備を固め、柏に人とボールが自在に動く流動的な攻撃をさせなかったことで、ギリギリのところで失点を回避し、両者無得点のまま前半を終えたことが、後半の展開へと繋がった。
後半開始早々(48分)にワンチャンスをモノにし、カルリーニョス・ジュニオの負傷退場で右MFからトップにポジションを変えていた津久井匠海が見事なボレーシュートで先制すると、62分には石川大地がCKから2点目をあげてリードを広げた。その後は柏の攻撃にさらされ、88分には久保藤次郎のゴールで1点差に詰め寄られたものの、後半のプレーにはこれまでの百年構想リーグでは見られなかった千葉らしさが随所に現れていた。
得た自信は大きい。今のやり方をこれからも続けていくことが、千葉にとって唯一無二の戦い方であることを改めて確信し、サポーターにも示すことができたのだから。
だが、柏をはじめとするJのトップクラブとの間に、まだ大きな力の差があるのも事実。それが具体的に何であるのかを、選手たちは感覚として実感しつつある。そのディテールを埋める作業、個の力を伸ばしていく作業は、日々の戦いの中でこれからも続いていく。
一方、敗れた柏にとっては、悔しさの残る敗戦だった。ただ、ゲームを支配し、築いたチャンスの数も千葉を圧倒的に上回りながら決めきれなかったのは、単に運や効率の欠如では片づけられない。前節のFC東京戦で見せた、相手の守備組織を崩し切る流動的な攻撃を、千葉の守備に妨げられたことが、決定力を欠いた原因であることは真摯に受け止めるべきだろう。力は折り紙付きのチームであるだけに、立て直しに期待したい。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。


