J論 by タグマ!

PK戦の負けを反省する必要などない! 今こそ、ミスター無反省へと進化するとき!!

果たしてこの敗戦から読み取るべきこととは何か。フモフモコラムのフモフモ編集長が、別角度からこの敗北を捉え直す。

2015年1月23日、日本代表のアジアカップは終幕を迎えた。早々に先制点を奪われ、一方的に攻め込んで同点としたものの、勝ち越しはならず。1-1からのPK戦の末、アギーレ・ジャパンの挑戦は早すぎるエンディングとなってしまった。果たしてこの敗戦から読み取るべきこととは何か。フモフモコラムのフモフモ編集長が、別角度からこの敗北を捉え直す。

▼落ち込んでばかりではいられない
 反省してしまったことを、反省しました!

 アジアカップ2015の準々決勝で敗退した日本代表の件。サッカーファンのみなさんに置かれましても、少なからず落胆されたことと思います。ご多聞に漏れず、僕もそのクチです。「このままではアジアの中でベスト8止まり程度の国になってしまう」などと、危機感を覚えたりもしました。

 しかし、よくよく考えてみれば、それは心揺らぎすぎだなと思うのです。PK戦での負けなんて、コインを投げて決めたのと同じようなもの。負けのうちに入りません。反省する必要などないのです。そう言うと「120分で点が取れなかったのが悪いのだ。反省しろ」という反省要求野郎とか、「引いた相手に対する無策を露呈した。修正しろ」という課題修正野郎がゾロゾロ出てきますが、サッカーで点が入らないのは当たり前。だって足でやってるんだもん。入らなくて当たり前です。どんなチームだって0点の日はあります。メッシだって無得点の日はあります。それは手でやってないからです。

 よくあることが起きただけなのに、いちいち反省などしてもしょうがないでしょう。日本がアトランタ五輪でブラジルを破ったときも、ちょうど同じような「うっかり得点して守り倒す」試合でしたが、アレでブラジルが反省しましたかと。日本がブラジルを超えましたかと。勝ったときは「これは実力ではありません」と謙遜し、負けたときは「自分たちが弱い」と落ち込むことの繰り返し。自虐史観じゃありませんが、そんなんじゃ気が滅入って仕方ありません。

▼今こそ、ないものをつかむとき!
 日本サッカー界に決定的に欠けているものは自信です。

 自信がないから、勝った負けたでイチイチ揺らぐのです。吉田沙保里さんだって3年に1回くらい人間相手に負けているでしょう。日本代表が勝ったり負けたりするのは普通のこと。アジアで負けることもあります。それをイチイチ落ち込んでいたらキリがありません。アジアカップはもう4回も優勝しているのですから、向こう50年くらいは「アジアのサッカー大国」ヅラしていても大丈夫なはずです。韓国なんか50年以上優勝してなくても、平気そうじゃないですか。オーストラリアなんか1回も優勝してないのに、平気そうじゃないですか。何故日本が落ち込むのかと。

 前監督ザッケローニ氏もワールドカップを前に、こんなことを言っていたそうです。「このチームの傾向として負けるとズルズル引きずってしまう」「目の前が真っ暗になってしまう」と。まさに今がそんな状態。目の前が真っ暗になっているのではありませんか。負けたことよりも、その態度のほうがみっともない。堂々と、悪びれず、ふてぶてしく負ければいいのです。

 ご覧なさい、アギーレ監督を。あの監督、負けたら解任かという状況で見事に負けた直後だというのに、「これがサッカーだ」と言い切って逆に勝ち誇っていたじゃありませんか。しかも、2月に入ったら代表の活動が休止するので、スペインとメキシコへバカンスしに行くって言っているらしいじゃないですか。ミスター無反省じゃないですか。さすが、告発されても平気な顔しているだけのことはあります。

 あのタフネスを学ぶことにこそアギーレ監督を招いた意味がある、僕はそう思います。

 勝負がついたあと、最高に楽しいのは「敗北を認めて地面に崩れ落ちる相手」を見るときです。負けた側がセンターサークルに寝転んでタオルとか被っている姿を見ると、「勝ったな」という喜びでゾクゾクします。今、日本は負けた側なわけですが、そこまで相手を楽しませてやる義理はありません。ミスター無反省の顔で勝ち誇っていればいいのです。

 日本代表選手は堂々と、悪びれず、ふてぶてしく欧州のビッグクラブに帰ればよい。日本のサッカーファンは堂々と、悪びれず、ふてぶてしく年間500万人を動員するJリーグの開幕を待てばよい。コッチには次から次にサッカーの予定があるんですから、いつまでもアジアカップを引きずっているヒマはないのです。

 どうしても日本に負けを認めさせたいと言うなら、アジアカップ2016でもアジアカップ2017でも何でも持って来いと。日本が泣いて謝るまで勝ってみろと。アジアカップ史上最多優勝国(※単独1位キープ確定済)として、いつでも受けて立とうじゃないですか。

 自虐史観を打ち破るのは、ミスター無反省の強い心です。

 アギーレ監督、どうか日本にその心を伝えてください。

 スペインでは何回控訴できるのかよく知りませんが、僕の瞼には負けても負けても法廷に立ちつづけ、並行して日本での監督業もこなすあなたの姿がクッキリと浮かんでいます。その見事なタフネスを日本は欲していたのです。学ぶチャンスが今なのです。日本がこれで死んだと思われないよう、ミスター無反省の心で強く生きていきましょう。アギーレ監督とともに!

フモフモ編集長

サッカー、野球、大相撲、バレーボールや格闘技・モータースポーツに至るまで、日本のスポーツ界を広く浅く生温かく見守るぬいぐるみ。試合本編については大した洞察ができないが、「まぎれ込んできた犬」「おかしなことを言い出す解説者」「ポロリこぼれたおっぱい」などについては舌鋒鋭く追及する。  2005年3月にライブドアブログにて「スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム」を開設し、日々駄文を撒き散らしている。

スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム http://blog.livedoor.jp/vitaminw/