「Jリーグ全体の課題でもあるんですが、新規に来てくれた方の中でまた来てくれた方の割合が20%くらいしかありません。これはまだまだ努力の余地があると思います(木村専務理事)」フライデーナイトJリーグに関するブリーフィング(1)
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「Jリーグ全体の課題でもあるんですが、新規に来てくれた方の中でまた来てくれた方の割合が20%くらいしかありません。これはまだまだ努力の余地があると思います(木村専務理事)」フライデーナイトJリーグに関するブリーフィング(1)(『Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~』)
7月12日、JリーグはフライデーナイトJリーグに関するブリーフィング(説明会)を行った。
会見には木村正明Jリーグ専務理事が出席、これまでのフライデーナイトJリーグの取り組みやこれからのフライデーナイトJリーグについて説明した。
今回より数回に分けて、フライデーナイトJリーグに関するブリーフィングの様子をお届けします。
○木村専務理事
「DAZNさんとパートナーシップを組ませていただいて、今年で3年目となります。これまで私どもとして、クラブの入場者数を増やすとか、リーグとクラブが一緒になって―社内ではtoC政策と呼んでいるのですが-toCと言うのはコンシュマーということで、対象としては関心を持つ人が増えるとか、入場者が増えるとか、あるいは有料視聴者を増えるとか、そのあたりを狙っています。リーグとクラブが足並みを揃えていけるかということに注力をしてきた年月がありました。今進めている政策としては、フライデーナイトJリーグに絞って一点突破でやっていますので、ある程度成果が出始めている段階で、一度途中報告させていただきたいと思い、今日この場を設けさせていただきました。
資料に沿って説明させていただきます。
Jリーグは村井チェアマンになって今年で6年目になります。2030年に向けたビジョンを今社内でクラブとも話し合いながら作っています。2030年に向けて思い切ってストレッチした目標を作ろうということで、例えば入場者数が何人になるとか、あるいは関心層を何%に増やしていくとか、そういった目標を私どもの方で作らせていただきました。
○Jリーグが目指すもの
2030年には、このような状態を目指しています。街中や個人のタイムライン上で、Jリーグやサッカーが話題となっている。行きたいとか見たいというJリーグにしていきたと思っています。まだちょっと話題になり切れているかどうかと言われれば、答えはノーだと思っています。日本代表やワールドカップの時には話題にはなっていますが、もっともっと日頃から話題になって欲しい、そういうJリーグになっていきたいというのが我々の思いです。
これはJリーグ全体の課題でもあるんですが、新規に来てくれた方の中で、また来てくれた割合が20%くらいしかありません。これはまだまだ努力の余地があると思います。また来たいとかまた見たいと感じていただける顧客体験を提供できている。そして多種多様なファンに支えられていく。後でも言いますが、決して若年層だけに絞ってファンを増やしていきたいわけではなくて、多種多様なファンに支えていただけるように。当たり前と言えば当たり前なんですが、もっともっと人気のある状態を目指していきたい、そのように思っています。そのためには選手の協力も必要だと思っていますし、すぐにはできない部分もあるかと思いますが、一歩ずつステップを登っていきたいと思っています。
2030年には全試合満員のスタジアム(にしたい)。満員という定義が難しいのですが、収容率80%で満員と定義しています。今J1の18クラブが全ての試合で満員となった場合、平均で24,000人となります。Jリーグの入場者数はJリーグブームの頃(1994年頃)がこの数字(平均19,598人)でした。今年も伸びておりますが、後で申し上げます。24,000人だと世界で5番目くらいに位置することとなります。
フライデーナイトJリーグですが、これはまずDAZN様と10年間という長期のパートナーシップを組ませていただきました。DAZNはロンドンに本拠がありますが、非常にフットボールそのものに造詣が深く、このパートナーシップの意味―当時リーグの職員ではありませんでしたが―理事会で実行委員として何度もDAZNと組む意義をその時話し合いました。共にJリーグを盛り上げていく、具体的な数字を伸ばしていくことにコミットいただける、その知見にも預かりたいということで、DAZNと組ませていただきました。そしてこのフライデーナイトJリーグ(金J)一本に絞って展開をしています。
(2)へ続く
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