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【Jリーグ】為末理事「『スポーツのために何ができるか』ではなく、『スポーツを使って社会に何ができるか』」

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為末理事「『スポーツのために何ができるか』ではなく、『スポーツを使って社会に何ができるか』」藤沢理事「『忖度をしない』理事の一人としてお役に立てたら」~Jリーグ社員総会後の記者会見より(2)~『Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~』

3月27日、JリーグはJFAハウスで2018年度第1回社員総会、および臨時理事会を行い、村井満チェアマンの3期目の体制が正式に発足した。


左から米田理事、原副理事長、村井チェアマン、木村専務理事

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Jリーグの理事は常勤・非常勤を含めて18人。空席となっていた専務理事にはJ2ファジアーノ岡山社長の木村正明氏が就任。また公認会計士の米田惠美氏が新たに理事(常勤)に就任し、留任した原博実副理事長と共にJリーグの業務を行っていくこととなる。

今回はJリーグ社員総会後の記者会見での出席者のコメントをお届けしています。

⇒(1)はこちら

原副理事長「日本のサッカー界がさらにここから力をつけるためには、Jリーグがもっともっと強くならないといけない」

○原博実副理事長
「私も2期目に入ります。今年はワールドカップもありますし、日本のサッカー界がさらにここから力をつけるためには、Jリーグがもっともっと強くならないといけないと思っています。サッカー協会とも連係をしながら、代表の強化は常にやっていかなければなりませんし、あとは育成も非常に重要です。JJP(JFA/Jリーグ協働育成プログラム)もやって、しっかり育成にも手を付けていかないといけません。

そして、佐伯特任理事が入ってくれましたが、Jリーグ全体の将来を考えると、女子にももっともっと関わっていきたいと思います。ここにいるメンバーと力を合わせて、Jリーグをもっともっと盛り上げていきたいと思いますので、よろしくお願いします」

木村専務理事「Jリーグをさらに前進していけるよう身を粉にして働いていきたい」


○木村正明専務理事

「社会人になって最初の14年間は証券会社(ゴールドマン・サックス)におりました。そこで学んだことは、そこにある、人、物、お金などを総結集して、そこに置かれた状況でベストの考え・ベストの結果を出すことを14年間叩き込まれて、結果にこだわる仕事に携わってきました。
その後、地元の岡山に帰って、クラブに関わらせていただいて12年間勤めてきました。いろいろな方に会って、常に街に出て、様々なことを伺う中で、Jリーグに対する期待が非常に大きいのだなと感じました。やはり25年前の華々しさを覚えている方もいれば、あるいはサッカーを始めた小さい子まで、いろいろな方々の大きな期待をかけられているのを目の当たりにして、12年間誠実にクラブづくりに邁進して参りました。
この新しい場で、村井チェアマン原副理事長をしっかりとサポートして、この4年間でJリーグも大きく前進しててきたと思いますが、さらに前進していけるよう身を粉にして働いていきたいと思います。まだ引き継ぎの最中で具体的なことはいけないんですけど・・・一生懸命頑張っていきます。よろしくお願いします」

米田理事「地域の方々にとってのJリーグの価値を真剣に考えてそれを実行していく」

○米田惠美理事
「昨年の4月よりJリーグのフェローとして業務委託という形で関わることとなりました。この理事という大役をお受けするかに関しては、実は非常に悩みました。何度も悩んで何度もお断りしてという攻防があったんですが、最後に決め手になったのは、Jリーグの理念を実現したいということでした。この理念を実現することを体現することが非常に重要だと思っています。

・豊かなスポーツ文化の振興
・国民の心身の健全な発達

この2つが、Jリーグを通じてちゃんと実現できたのかということにコミットしたいという思いがあります。初代の川淵三郎チェアマンの「スポーツを愛する多くの皆様に支えられて、この夢の実現に向かって一歩を踏み出します」というのがJリーグの開幕宣言だったと思いますが、実はその状況と私の心境は似ている状況にあります。
スポーツのみならず、地域の皆様にとってJリーグを使って何ができるのか、地域の方々にとっての価値を真剣に考えてそれを実行していく、そんなJリーグにしていきたいなと思っています。
若輩者で、多くの皆様が「大丈夫かな、あいつで」と思っていらっしゃると思いますが、ここにいらっしゃる理事の皆様の力を借りながら、しっかりと力を合わせていければ夢の実現ができると思っています。今後ともよろしくお願いいたします」

※新任理事を代表して為末大理事、藤沢久美理事が挨拶

為末理事「『スポーツのために何ができるか』ではなく、『スポーツを使って社会に何ができるか』」

○為末大理事
「村井さんからお話をいただきまして、このような大役をお受けさせていただきました。私は4年前に引退をしまして、自分の役割が『スポーツのために何ができるか』ではなく、『スポーツを使って社会に何ができるか』だと思っています。そういう意味で、陸上界からずっとうらやましいと思っていましたのが、日本中にあまねく広がっているサッカーというプラットフォームで、『高める』『広げる」『つなげる』ということが、おそらくスポーツが社会の中で愛されていくために必要だと思います。この中で私は『つなげる』ということで、社会とどうやってこのJリーグがつながって、スポーツに興味のない人すら、Jリーグに魅了されるようになるにはどうすればいいかを考えていきたいと思っています。
個人的には陸上界には小さく”裏切り者”と言われたりもしたのですが(笑)、サッカーから学んだことを陸上に還元し、陸上からも還元できたらいいなということで、スポーツ全体が発展すればいいなと思っています。どうぞよろしくお願いします」

藤沢理事「『忖度をしない』理事の一人としてお役に立てたら」

○藤沢久美理事
「私もJリーグの理事という、大変な役割なんだとあらためて今感じて、プレッシャーの中にいます。私自身、もともと起業したり、起業の支援をしたり、いろいろなことをやっている中で、モットーにしているのは、地域であろうが、大企業または中小企業であろうが、日本であろうが海外であろうが、サイロになりがちな世界を横串でつないでいくことを日々仕事の中で大切にしています。

そういう意味では、今日もチェアマンからお話があったのですが、『Jリーグの理念に則って理事をしていきましょう』、『リーグ運営をしていきましょう』ということで、『サッカー』というのではなく、広くスポーツとしてサッカーを好きな人、プレーをしている人だけではなく、国民と掲げる幅の広さであったり、世界の方々と一緒になって動くという、壁や境のない議論をしながらJリーグの運営に関われるというのは、大変ワクワクしております。
またチェアマンから理事会に臨むにあたっての『5つの考え方・心得』という話があったのですが、その中の一つに「忖度をしない」ということがありましたので、「忖度をしない」理事の一人としてお役に立てたらいいなと思っております。どうぞ、よろしくお願いします」

(3)へ続く

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