為末理事について「スポーツが社会に何ができるのか、社会連携に関する発信に期待したい(Jリーグ・村井チェアマン)」
為末理事について「スポーツが社会に何ができるのか、社会連携に関する発信に期待したい(Jリーグ・村井チェアマン)」~2月のリーグの理事会より(5)~(『Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~』)
2月27日、JFAハウスにて2月のリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われ、Jリーグ村井満チェアマンから決議事項・報告事項が発表された。
今回は理事会後の会見に出席した出席者のコメントをお届けしています。
(4)はこちら
関連リリース
https://www.jleague.jp/release/post-52692/
○村井満チェアマン
Q:放映権やデジタル領域以外に、リーグとクラブの業務負担を変えていくこともあるのでしょうか。
「これから木村さんを中心にプロジェクトを動かしていくことになりますが、25年間久しく大きな変更がなかったマーチャンダイジング・グッズ販売は非常に大きな伸びしろのある領域だと思っております。販売については実際はクラブが行うこともあれば、JリーグのECプラットフォームでの販売もあります。川崎フロンターレが優勝した際の桶等もそこで爆発的に売り上げましたが、マーチャンダイジング等の進化を木村さんにお願いし、クラブとの協働座組みとして進めていく可能性は非常にあると思っています」
Q:今日の話とは少し外れますが、富士ゼロックススーパーカップの視聴率が低かった一方で、初めての金曜の開幕戦のDAZNの視聴数はかなり多かったと聞いています。これをどのように受け止められていて、私見の範囲でかまわないので、今後どのような分析、解明を考えていらっしゃるか。教えてください。
「富士ゼロックススーパーカップは我々が想定したレンジに入るくらいの入場者数(41,803人)でした。一方でテレビの視聴率は非常に厳しかったというフィードバックを受けています。私自身、因果関係について突き詰められているわけではありません。今後関係する皆さまと、方向性の議論を深めていかなくてはならないと思っています。
また金曜日開催は、確たる完全な見通しがあって実施したわけではありませんが、従前の延長線上ではなくて、新たなお客様を獲得しようとごチャレンジしました。
DAZNによるライブ配信は、ユーザーとサーバーがつながっているため、視聴者が何をどのくらい視聴したのかが克明にわかります。昨シーズンは1,000試合を超える試合を配信しましたが、昨年の全試合を超える視聴数と聞いています。数については未発表ですが、昨年からの視聴数のベスト10を並べると、今シーズンの開幕第1節に配信した試合がベスト10の中で6試合入りました。昨年のJ1第34節、J2第42節分を塗り替える数字だったと聞いております。当然、同じ比較はできないですが、DAZNでライブ視聴される方が増えているということ、試合を一定程度分散することで、全部が重なると見れなくなるという状態が緩和され、多くの試合をライブ視聴していただけたことに関しては、金曜日に開催した一つの効果だと考えています。
DAZNの視聴実数云々は非公開ですが、私が最も重要視していることは、新たな観戦者が来ていただけるかということが一つ狙いでした。今回鳥栖vs神戸戦ではアンケート調査を実施して、まだ母数は200~300人程度ですが、これまでの観戦回数が、ゼロ~2回と回答された方一定程度いらっしゃいました。曜日について聞いたところ「金曜日がありがたい。土日は他の用事に使いたい」という方々もある程度いるという仮説がある程度裏付けられました。
当日は、ハーフタイムのコンサートなど、色々な演出イベントがありました。そういったものに関心を持って視聴・来場された方がいらっしゃったのかもしれませんが、そういう方々にもJリーグに興味を持っていただければよいのではないかと思います。
撮影:3/27社員総会・理事会後の会見より
Q:為末さんについてですが、チェアマンはいつからどのような接点があり、彼に対してどのような期待をされているかお聞かせください。
「結構長いと言えば長いです。彼が出るパネルディスカッションや講演などを拝聴しておりましたので、もう3~4年も前のことだと思います。私は彼のことを良く知っていました。逆に私が出るパネルディスカッションに彼が来ていただいたこともあります。そういう意味では非公式には数年間コミュニケーションしています。ただ、じっくり一緒に仕事をするという経験があるわけではありません。
今回彼に期待していることは、サッカーという一つの狭いカテゴリーではなくて、スポーツ界と連携していきたい。Jリーグはスポーツ界に門戸を広げたスポーツヒューマンキャピタルという経営人材の育成の場を作ってきましたが、今回の五輪でも新しい競技が脚光を浴びて、そういった動きもあります。彼も陸上に閉じることはないと思いますので、彼に期待することとしては、スポーツが社会に何ができるのか、先ほどの米田さんが担当する社会連携に関する発信に期待したいと思っています」
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