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テーマ『ガルパン』『甘ブリ』『のうりん』。アニメコラボはJを救う特効薬となり得るか?

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アニメとかに詳しいライター・後藤勝

2015 08/20  21:09

ラノベ作家兼磐田サポ・佐々原史緒が語るJのヒントは『タイバニ』『黒バス』『刀剣乱舞』!?

東京都は世田谷区出身、国道246号線のすぐそばに住んでいた佐々原史緒さんは、いまライトノベル作家業の傍ら、ジュビロ磐田のサポーターとしてヤマハスタジアムへと通う日々を過ごしている。牧歌的だった日本リーグ時代からスポーツが好きで、かつては信濃町の会社に勤務、仕事帰りにJリーグ草創期のナイトゲームを楽しんでいたというサッカー通。そんな佐々原さんがいちサポーターの観点から考える、Jリーグを盛り上げる一手とは何か。アニメとかに詳しいライター・後藤勝が直撃した。


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見習い神官レベル1 ~だけど、この手を離さずに~(ファミ通文庫)

第三回 ラノベ作家・舞阪洸の視点。「なぜJリーグのスタジアムには○○がないのか?」

▼いつの間にか磐田のサポーターに
「1985年、トヨタカップで初めて生のサッカー観戦をしました。プラティニの幻のシュートを目の前で見られた、幸運な日本人の一人です。『世の中にはこんなすごい競技があったのか!』と開眼。その後、ときどき友達に誘われるままスタジアムに行って、日本リーグを見ていました。当時は特に贔屓というほどのチームはなかったですね」

 Jリーグ元年には、地元である東京のJクラブはなし。国立競技場へと通ううち、横浜フリューゲルスのサポーターとなるものの、フリエは消滅。その衝撃がたたり、しばらくJリーグを見なくなってしまった。

 再びサッカーへの情熱が持ち上がったのは2002年のW杯がきっかけだった。

「開催地住民枠で当選して日本対ベルギー戦の試合を見に行ったんです。満員のスタジアムと頑張っている選手を目の当たりにし、『いつまでも死んだ子の年を数えていてどうするんだ』『国内リーグを支えることこそが日本サッカーの明日を支えることになるんだ』と割と本気で思い至り、再びJサポに戻ろうと決意しました」

 仕事の都合で埼玉県に引っ越していたこともあり、東京が地元という意識ももはや希薄になっていた。片っ端からJリーグの試合を見まくる。単純におもしろいゲームが数多い、好きになれる選手が多数所属している、身近な知り合いが静岡通いをこなしている――という条件が重なり、ゴール裏やサポーターの気質が自分の肌に合うものだったことで、佐々原さんはジュビロ磐田を応援することになった。

▼弱くなってもバルサより磐田
 ただ、弱くなったら見限るのかと言えばそうではない。流動的なパスワークで黄金時代を築いた過去とは対照的に「千本クロス」と呼ばれるほどスタイルが様変わりしても、佐々原さんは磐田のサポーターをつづけている。

「地元のクラブだから好き、というのとはちがうのですが、先に好きになったのがジュビロだったから仕方がない」

 地域愛ではないが、かと言ってレベルが高い、低いだけで熱狂しているわけでもないのだ。

「実はカンプノウのロイヤルシートでバルサの試合を見たことがあります。美人のお姉さんが王室御用達のブランドの食べ物や飲み物をいつでも運んできてくれて、エアコン完備のガラス張りの中、ふかふか綺麗なシートで試合をのんびり見下ろすという、本当に贅沢極まりないひとときでした。選手の躍動感やテクニックは言うまでもありません。サッカーの完成形としてあれ以上のものはちょっとないし、スポーツ文化としてもあれに比類するものは稀でしょう。

 でも、やはりJリーグがいいな、と。ヤマスタや国立でメロンジュース飲みながら、ひどい内容に青筋立てて怒りながら、雨に打たれて風に晒されても、それでもやっぱり自分のチームが何よりいいんだなとその帰り道にしみじみしたのをよく覚えてします。

 試合ひとつひとつプレーひとつひとつだけではなく、長く長くチームに寄り添って苦楽を共にできるのがJリーグの魅力だし、Jサポーターの醍醐味なんじゃないでしょうか」

 エンターテインメントの送り手として、サッカーのここがすごい、と感じるところを、佐々原さんは次のようにえぐり出している。

「日本に蹴鞠があって、西洋にサッカーが誕生したように、おそらく人間って何か蹴ることとそれを目で追うこと自体が本能的に楽しいんだと思います。

 肉眼で追うのにあまり速すぎない、されど、飽きるほどは遅すぎないというボールスピード、それに加え、あまり競技ルールが複雑ではないこと、選手の体力と観客の集中力がほどよく保つ試合時間であること、そしてもちろん、手を使わないという特殊な環境化であるため、極めれば一流の職人芸となり、プロと素人の差がはっきりとした違いとなって出てくること=お金払ってでも見たいと思える。これがプロスポーツとしてのサッカーの強みだと思います。

 その中でJリーグが自分にとって特別なのは、やはり『いつも手に取れるほど近くにあったから』ではないかな、と。

 晴れた日も雨の日も、心は共に。

 磐田が負けるたびに書いてきた言葉なんですけれども、競技者以外がずっとずっと一つのチームと苦楽を共にすることができる幸せ、それがJリーグの魅力だと思います」

▼ACLと審判の改革を
 サッカーを仕事にすると厳しい部分が出てくるし、思い入れがありすぎてうまく書ける気がしなかった、という佐々原さん。しかしフットサルの短篇(ファミ通文庫部活アンソロジー「青」収録の「サルと踊れば」)を書いてみると思いの外楽しく、今後はサッカーを題材にした作品を書いてみたいという気持ちも湧いてきたという。やはりサッカーは物語文化との相性がよいのかもしれない。

 もしサッカーを題材にした作品が生まれればそれだけの経済効果があるということになるが、現実にはJリーグの危機が叫ばれ、2ステージ制を導入するなどして打開を図っている状況だ。改革案として、佐々原さんはまず審判とACLを挙げた。

「レフェリーの育成にはもっと力を注いで欲しいと思います。できることならもっとお給金をアップしてあげて欲しいし、その分、レベルの揃ったレフェリングをお願いしたいです。ミスジャッジは人間である以上仕方がないと思うのですが、一つの試合の中で笛の基準が定まらないのは技術の問題。しかし、残念なことにしばしば見受けられます。

 あと、ACL対策。磐田がこれに参加できていた時代はナビスコ全出撃の横でリーグやって海外行って、でもっとひどかったんですけれども......。他国リーグはACLのために国内リーグを日程変更してまでチームコンディションをそこに完璧に合わせてきます。対して、Jリーグはほぼ通常運転というか、チームによってはACLを捨てるしかない状態。ナビスコと天皇杯ですらベストメンバー制に縛られていて、ターンオーバーすらままならない状況です。いろいろと厳しいのは判っていますが、もう少しリーグの日程調整をできないかなと。

 Jリーグは見ないけれど日本代表戦は見るという層にACLはもっとアピールできる気がします。また、大会の権威付けを国内で高めて、地上派などでも積極的に流すなどしていかないと、いつまでたっても『J1上位チームの罰ゲーム』状態でもったいないです。日本のチームがこれから中国、韓国、中東のチームと戦いますよ、という眼で見てもらえれば、内容が観賞に耐えうるかは別にして、Jリーグのマニア以外にも楽しめるものになると思うんですが」

▼露出と人気回復の一手は『黒バス』?
 話を訊いていくうちに「朝のテレビ番組で昨日のJリーグをやってほしい」という言葉が出てきた。たまに映るとすれば、横浜FCのカズに1点を獲られた、という採り上げられ方だ。しかし勝った磐田が引き立て役であっても、ニュースで採り上げられないよりはいい、と佐々原さんは言う。関心を持ってもらうためのフックが必要なのだ。その一手として、『アニ×サカ!!』も十分有効だと、佐々原さんは考えている。

「『ガルパン』と水戸ホーリーホックのコラボマッチを観に行き、水戸のサポーターになっったわけではありませんが、サッカーに興味が湧いて近所のクラブのサポーターになった人は知っています。FC岐阜に通うのは無理でも近所に○○があるから観に行こうという人がちょっとでも増えるのであれば、フックはなんでもいい、コラボができるところがあるのであればどんどんやったほうがいいと思います」

『アニ×サカ!!』だけでなく、J1のサガン鳥栖も『アイドルマスターシンデレラガールズ』とのコラボを発表したが、今後こうしたクロスオーヴァーの試みが加速していくかもしれない。

 佐々原さんは言う。

「『タイバニ(TIGER & BUNNY)』にあったアニメ内企業広告みたいに、映像作品内にチーム名を入れてもらえないだろうか、と思うんです。サッカーのアニメ側への進出ですね。また、『アニ×サカ!!』は三作品と三クラブのコラボですが、Jクラブすべてを巻き込める試みがあってもいい。たとえば、どこかの船や刀のようなJ1全18チーム女子擬人化。キャラ付けもけっこういけると思います。チームカラーや県民性、サポーター気質などキャラクターが立ちそうな要素はいっぱいありますよね。Jクラブ側からは川崎フロンターレの『カワサキまるこ』という発信がありますが、これをリーグ全体でやっていけないかと」

 さらには萌え分野での展開だけでなく、よりメジャーな取り組みも欲しいと、佐々原さんの言葉はつづく。

「サッカーが強いのは『キャプテン翼』があったこと。若い頃に『キャプテン翼』を読み、サッカーを好きになり、お嫁さんにいっちゃって自分では見なくなったが、子供に習い事をさせるときにはまずサッカー......という女性がユースのサッカーを支えているんです。『キャプテン翼』や『ホイッスル』のようにメジャー誌にサッカー漫画を載せ、そこにJリーグが協力することは急務だと思います。『黒バス(黒子のバスケ)』の流れで女の子にも読んでもらえたら」

『キャプつば』が連載を始めてから34年の月日が経っている。再び狂熱をブーストするために、サッカー界は人気向上策を仕掛ける時期に来ているのではないだろうか。

第五回 『アニ×サカ!!』仕掛け人・バンダイビジュアル廣岡祐次が語る真意と狙いと秘めたる野心

後藤 勝(ごとう・まさる)

サッカーを中心に取材執筆を継続するフリーライター。FC東京を対象とするWebマガジン『トーキョーワッショイ!プレミアム』を随時更新。著書に小説『エンダーズ・デッドリードライヴ 東京蹴球旅団2029』(カンゼン刊)がある。

テーマ: 『ガルパン』『甘ブリ』『のうりん』。アニメコラボはJを救う特効薬となり得るか? に関するコラム
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納得(5票)

匿名(IP:126.48.239.29)

審判の育成は本当に賛成。審判に試合崩されたら泣くに泣けない。特にJ2は練習の場みたいな位置づけもあるんだろうけど、ひどすぎる…。

ACLはスケジュールの問題もそうだけど、クラブの財政を圧迫するという問題もあるし、ここに力を入れてもいいのかは難しいところ。けど、スケジュールの問題だけでも解決するというのは、参加し続ける限りは必要なことだよね。

2015年8月20日 22:26

匿名(IP:114.176.201.23)

ACLへの改革に賛成。 CSでACLを見られると、普段はライバルでヘタすれば憎きことこの上ないチームも「日本代表」として大いに応援できる。色んなクラブのサポが共に1チームを応援するという新たな形も見てみたい。

2015年8月20日 22:33

匿名(IP:114.176.201.23)

ACLへの改革に賛成。 CSでACLを見られると、普段はライバルでヘタすれば憎きことこの上ないチームも「日本代表」として大いに応援できる。色んなクラブのサポが共に1チームを応援するという新たな形も見てみたい。

2015年8月20日 22:43

匿名(IP:106.171.66.79)

突飛なタイトルに騙されたと思うくらい(笑)愛に溢れた良い記事でした

2015年8月21日 07:57

匿名(IP:118.103.3.88)

改革案そのものは、どこかのチームのサポーターならばきっと感じること。そんなに目新しくもない。けれど、それがかえってこの人が長年本気でJリーグとつきあってきた証拠に見えた。スタジアムで起こっていることを体感している人ならではの、しっかりとした現実に裏打ちされた提言だと思う。

2015年8月22日 23:33

異論(2票)

 猟奇事件の影に「エロゲーあり」と同じ事(IP:211.134.146.156)

  「キャプ翼」読者の中高年、元社会人、プロ崩れをよく知っているが、当時のサカ小学生は「ツッコみどころ満載の、スポ根物語」を愉しんでいたという扱い。
  この間、ナンバー誌で特集していた様子だが、そもそも「スラダン」にしても、作者は高校だけのヘボ部活でNBAに憧れていたに過ぎない。それなのに、偶々スポーツ少年の傍らに「キャプ翼」とか「スラダン」が(「ヒカ碁」でもいいが)あったから、「それを読んでいた、アイツはワシが育てた」みたいな論調は、例えばネットのキモヲタが
   「変質者が性犯罪を犯したときにエロゲー、萌え漫画があったからといって関連付けるのはケシカランっ!」
と言うのと同じ理屈で、いい加減にしてほしい
  他にも、サッカーを扱った娯楽アニメが、身近になかった事で、「日本のサカ少年の間でもネタ的に読まれる事も多かった」キャプ翼を、幼少時に熱い思いで見ていたブッフォンやジダンと、日本との係りを針小棒大に喜ぶ、キモヲタ 腐女子まで自信満々
  ゲームや漫画を読んでるだけで上手くなるなら世話はない。そして、選手が自分の思い出補正が入ったゲームや漫画を悪く言う筈もない。ところが、そんな単純な事を見過ごして「ヲタ文化、日本サイキョー論()」やってるのは、(それも部活もやってない連中の自画自賛を選手の上に持ってくるような話が)言説として、あほとしか思わないがw
  実際に鍛錬する努力を、寝転びながら読める漫画やゲームで疑似体験(シミュレート)とかどんだけお花畑なのか…実にメデタイ。こんなのを起爆剤に考えて寄生する程度の頭しかないなら、早晩の先細りは必至だろう。

2015年8月25日 17:30

 ↑【脱字訂正】(IP:211.134.146.156)

  ・「『キャプ翼』読者の中高年、元社会人、プロ崩れ」
      ↓
 ・「『キャプ翼』読者の中高年、元社会人選手、元・J1所属のプロ選手を直に知っているが」

2015年8月25日 17:36

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