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テーマ〝6月のハリル〟をどう評す? そして日本代表の今後に起こることとは?

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流浪のフォトジャーナリスト・宇都宮徹壱

2015 06/19  16:14

ハリルホジッチを唖然とさせた「日本固有の病」。だが、私はそこに「幸運」を感じた

ロシアW杯へと続くアジアの戦いが始まった。日本代表は初戦でシンガポールと対戦し、0-0の引き分け。ホーム開催であること、またグループ1位にならねば突破が保証されないレギュレーションを思えば、痛恨の結果にも思える。今週のJ論は〝6月のハリルジャパン〟を評価し、今後のあるべき施策とは何かを考えたい。流浪のフォトジャーナリスト・宇都宮徹壱は、ある日本人論を起点にこの6月に思いを馳せる。

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(C)宇都宮 徹壱

▼W杯でも戦わない選手がいるということ
 W杯予選が始まる1カ月ほど前、元日本代表監督の岡田武史氏にインタビューする機会があった。取材テーマは、同氏が現在オーナーを務めるFC今治に関するものだったのだが、その中でW杯ブラジル大会に臨むアルベルト・ザッケローニに関する、実に興味深い言及があった。すでにスポーツナビにアップされたものを以下、引用する。

ザックとは大会前にたまたま食事をする機会があって、そのときに「日本人の場合、大会前に調子が良すぎるのはかえって良くない」という話をしたんです。そのときはよく分からなかったみたいだけれど、大会後に日本で会った時には「あのとき、お前が言っていたことが少し分かった気がする。それにしてもW杯のピッチに立って、死に物狂いで戦わない選手がいるだろうか?」と言っていた。


 さらりと言っているが、実に恐るべき内容である。ザッケローニに率いられた日本代表は、初陣となる埼玉スタジアムでのアルゼンチン戦(もちろんメッシもいた)に勝利すると、およそ1年にわたって16試合連続無敗記録を樹立。その後もフランスやベルギーといった欧州の強豪にもアウェイで勝利している。2013年のコンフェデレーションズカップでは、守備の脆弱さが顕在化したものの、それを補って余りある攻撃力で本大会は戦えるはず、と多くの人々が(そして指揮官や選手たちも)楽観していた。

 昨年のブラジルにおける敗因について、ここで多くを語るつもりはない。が、ここで注目すべきは「W杯のピッチに立って、死に物狂いで戦わない選手がいる」ことにザック自身が驚いたという事実である。死に物狂いで戦わない(あるいは、戦えない?)選手がいたことはもちろん問題だが、そういう選手であることを気付かずにザックが23名のリストに選んでしまっていたこと、そしてかように致命的ミスが本大会の試合になって初めて露見したということについては、われわれはただただ当惑するよりほかにない。

▼指揮官を当惑させた病
 なぜこのような話を蒸し返したかというと、今回のシンガポール戦は確かに不甲斐ない内容と結果に終わったけれど、それでも昨年のブラジルでの悲劇に比べれば、はるかに救いが感じられるということを言いたかったのである。日本人選手は、親善試合ではそれなり以上の力を発揮し、そこそこ結果を出す。ところが、結果が求められる試合で少しでも上手くいかなくなると、決定的な場面でシュートを外しまくったり、予期せぬ展開に冷静さを失ってしまったり、ということを繰り返す。もちろん例外的な選手もいないわけではないが、これはある種、国民的な悪しき伝統といっても過言ではないだろう。そしてそれは、歴代の外国人監督を悩ませてきた宿痾(しゅくあ)でもあった。

「私は、それなりに長いサッカー人生を送ってきた。このように支配をし続け、19回の決定機を作ったのに、こういう(点が入らない)試合を見たのは初めてだ」

 スコアレスドローに終わったシンガポール戦、試合後のヴァイッド・ハリルホジッチのこの発言に、一定数の日本のファンは「何を今さら」とか「日本の決定力不足を知らなかったの?」と思ったのではないか。

 だが当人にしてみれば、コートジボワール代表監督時代に経験した信じ難いほど硬いピッチとか、アルジェリア代表監督時代に受けたメディアからの苛烈なバッシングといったものに匹敵するくらいの衝撃を、この試合で受けたようである。

 すなわち「普段のリーグ戦や親善試合では、あれほど落ち着いてゴールを決めているのに、なぜW杯予選でそれができないのか?」と。親日家で知られるザッケローニですら、集大成となるはずのW杯になってようやく「死に物狂いで戦わない」選手がいることに唖然としたのだ。来日して3カ月のハリルホジッチが、こうした日本人選手の悪しき特性に驚くのも無理は無いと思う。

 Jリーグや欧州組の視察だけではわからない、そして短期合宿でも気付かなかった日本人選手の"病"というものを、W杯予選の早い段階で指揮官が自覚できたのは、むしろ幸運であった。もしもザッケローニ時代のように順調に勝利を重ねていたとして、ロシアでのW杯初戦とか、あるいは最終予選の重要な試合で初めて"病"が露見していたならば、きっと目も当てられなかっただろう。そうして考えるなら、今回のシンガポール戦での不甲斐ない戦いは、むしろポジティブに捉えることも十分に可能だと思う。

▼今後のあるべき姿とは
 では、今後どうするべきなのか。

 ひとつ提案するならば、メンタル面でのサポートができる人材を日本代表の活動に常駐させることだ。もっとも、これは決して新しい発想ではない。ブラジルでの惨敗を受けて、原博実技術委員長(当時)は「メンタル面に課題があった」ことを言及している。予想外のゲーム展開に気持ちの切り替えができないこと、過緊張から決定的な場面でシュートをふかしてしまうこと、普段どおりのプレーができないまま次第に我を失ってしまうこと──。

 これらはいずれも、技術面や戦術面の問題ではなく、メンタル面からケアすべき問題である。当時の強化のトップが言及していたくらいだから、その点について技術委員会でも議論はあったはずだ。ところが、なぜか具体的な方策がなされないまま、ハビエル・アギーレ率いる日本代表はオーストラリアでのアジアカップに臨み、結果として準々決勝のUAE戦で自滅に近いPK戦敗退を余儀なくされたのである。

 今回のシンガポール戦の責任を、指揮官のみに求めるのは危険だと思う。もちろん戦術面や選手起用で、いくつか首を傾げざるを得ない場面もないわけではなかった。しかしそれ以前に、前技術委員長が言及したメンタルの問題が、その後も放置されたままUAE戦と同じ過ちが繰り返されたことを、むしろ問題視すべきではないか。次の予選までは3カ月。仕切りなおす時間は、それなりにあるはずだ。これまで着手してこなかった日本固有の"病"について、今こそ技術委員会は真摯に向き合うべきである。

宇都宮 徹壱

写真家・ノンフィクションライター。1966年生まれ。東京出身。 東京藝術大学大学院美術研究科修了後、TV制作会社勤務を経て、1997年にベオグラードで「写真家宣言」。以後、国内外で「文化としてのフットボール」 をカメラで切り取る活動を展開中。旅先でのフットボールと酒をこよなく愛する。『フットボールの犬 欧羅巴1999-2009』(東邦出版)は第20回ミ ズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。2010年より有料メールマガジン『徹マガ』を配信中。http://tetsumaga.com/

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匿名(IP:61.21.81.148)

仰られるように、この試合でも、そして過去にも、日本人の国民性は度々議論の的になってましたよね。

練習は頑張るが(レギュラー争いの奪取とか…)、それで満足してしまったのか、本番の試合では力が発揮できなくなる病。
試合のための練習が、練習のための練習になる、つまり目的と手段が摩り替わってしまうやつです。

日本人は非常にナイーブ過ぎます。几帳面でシャイで勤勉で真面目です。それらの性格が本番ではマイナス方向に作用してしまう。

本番でも発揮できるように、メンタルサポート体制を作り上げるのは急務ですね。

2015年6月20日 03:52

匿名(IP:36.12.14.184)

「甘えの構造」なんですかね。。。メンタルサポートは確かに必要ですけど、それ以前に、精神構造が子供な選手がいるんではないでしょうか?なでしこジャパンのクレバーな戦い方を見るにつれ、男子でも出来ないはずないとは思うのですが。。。

2015年6月20日 14:08

匿名(IP:121.102.17.92)

ブラジルW杯は、普段はマンUやミラン、インテルで戦ってる選手が、本番でヘタレっぷりを見せましたからね。経験ってなんなんだろ、と思わざるを得ない大会でもありました。

2015年6月21日 11:38

匿名(IP:49.98.166.95)

たとえば遠藤を外したのは、W杯でいつもと変わらない試合運びを心がけていたために、敵チームとの比較で相対的には「戦え」てないと見てとったことによるでしょう。その意味ではハリルホジッチは多少気がついていたんじゃないでしょうか。ただ、思っていたよりも病が深かった。
才能を守るのではなく、へし折りながら育てる、そんな育成が大事なのではないでしょうか。

2015年6月21日 12:32

匿名(IP:1.79.23.141)

確かに日本人は本番に滅法弱いと思う。
これは指揮官だけでなく、チームの永遠とある問題だと思う。
メンタルが極端に弱いだけでなく、試合に対する思いや気持ちも弱いのではないか。
強い気持ちがないだけに、力強いプレーが日本人にはあまり見受けられない。
対して海外の選手は、勝つために全力でボールを奪
おうと当たってくる。
試合に対する気持ちを各選手や監督一丸となって強めるべきだと思う

2015年6月21日 14:11

匿名(IP:61.21.81.148)

スポーツ科学や心理学は文系とはいえ、自然科学的な要素が強い学問でもあるので、意外と馬鹿にできない。日本も基礎科学は強い国なのだから、もっと科学的な要素をサッカーに限らず、スポーツ全般に取り入れるべき。

しかし、実際は『メンタルなんて…』と軽視しがちな風潮が未だにあるのが現状の日本のスポーツ界!

2015年6月23日 23:48

匿名(IP:182.249.240.95)

ここで触れてるメンタルの意味を誤解している馬鹿は投稿するのをやめようか

2015年6月24日 19:16

匿名(IP:61.21.81.148)

↑wwww

何、コイツ。
自分で自分の馬鹿さ加減を曝け出してやんのwww。

2015年6月24日 22:34

匿名(IP:182.249.240.97)


おまえ程じゃないけどなww

2015年6月25日 11:58

匿名(IP:113.32.16.18)

メンタルが重要でないなんてwww
緊張してうまくしゃべれなかったり、時間に追われて普段はできることができなくなったりする経験は誰しもあるでしょう?日本代表選手でもそれは例外ではありません。
結局そういった場数を多く踏むことなんだろうけど、よりレベルの高い試合重ねているであろう海外組でさえバタバタしだす様は、普段ならできることを知っている分歯がゆい思いが募ります。
試合に勝つだけでなく、国民の期待という大きな重圧をはねのけて躍動する日本代表を期待するのは、いけないことなんでしょうか?

2015年6月27日 12:35

異論(10票)

QPR(IP:66.249.82.182)

 興行要素の高い代表の親善試合やJの試合なんかでは、見栄えの良いプレーをする「巧い選手」ばかり集めたって、何ら問題ない訳だわな。
 しかし、国際的な試合・レベルの高い真剣勝負に成ればなるほど、「巧い」だけでは通用しなくなってくる。
 非効率な魅せるプレーよりも、効率的・効果的なプレーをする「良い選手」の数・働きがより重要に成ってくる訳だ。
 そもそも、巧いだけで強さの無い「ガラスの代表選手」のメンタルをケアする為に、新たな人と金を投じる事にどれ程の意味があるのだろうか?
 メンタル等という見えない物(イメージ)にイタズラに振り回されるよりは、「密室での不透明な代表選手選考課程の見直し」など日本代表の閉鎖的構造の改革を進めて行くべきではないのか。

2015年6月21日 18:54

匿名(IP:124.144.142.206)

引いた相手に苦戦をするのは世界中どこのチームでも共通する事例だと思う。
特にアジアはレベルの差の開きが大きく、日本に対して普通じゃ考えられないようなドン引きの戦術で挑んで来る。
そんな中ではシュートチャンスはあるものの限られたコースしか無く、シュートを決めるのはそれなりに困難でしょう。
それをメンタルだとか問題を選手側に依存するのは危険だと思う。
もちらん選手側にも何らからの責任があるだろうが、1番の問題は監督がアジアという特殊な地域のサッカーを理解していない事が問題と思う。
ザックもハリルも戦術大好き監督でバランスを重視した選手が大好き。
ドン引きした相手にいくら戦術やバランスを重視ても果たして相手に勝てるのか疑問。
今、日本に必要なのは監督のアジアという特殊な地域で戦ういう意識改革であったり、幾度も相手を切り裂く強引なドリブラーだったり、戦術に加えフジカルゴリ押しのサッカーを推奨出来る監督なんじゃないかな。

2015年6月22日 05:33

匿名(IP:153.170.140.103)

甘えとかメンタルとか国民性とか決定力不足、そういった曖昧な言葉でお茶を濁すのはいい加減やめようか。

2015年6月22日 16:32

匿名(IP:153.170.140.103)

↑続き;そしてそういったワードを多用し思考停止するサッカーライターは信用してはいけない。

2015年6月22日 16:39

CleoDTojo(IP:104.206.177.203)

I think that everything posted was actually very logical.
But, what about this? suppose you wrote a catchier
title? I ain't saying your content isn't solid., but what if you
added a post title to maybe get folk's attention? I mean ハリルホジッチを唖然とさせた「日本固有の病」。だが、私はそこに「幸運」を感じた - [J論] is
kinda plain. You might glance at Yahoo's front page and watch
how they write news headlines to get people to open the
links. You might add a related video or a pic or two to grab readers interested about what you've written. Just my opinion,
it might make your posts a little livelier.

2015年7月14日 07:07

ヘボな記者が先ず退場するべき(IP:210.198.215.28)

>「初陣となる埼玉スタジアムでのアルゼンチン戦(もちろんメッシもいた)」
つか……
あれは、ほとんどアフリカ大会のメンツそのままだろが。ンなものまで、ザッケローニの手柄にしてる時点で、記者辞めろw
この自称記者は、確かその時に裏ワールドカップだか(要するに、この親善試合での日本の勝利によって、W杯優勝国の権利がアルゼンチン→日本に移動したという)非常に馬鹿馬鹿しいヨタ話を書いていたけど、論評次元の話が全く書けないのでいつも呆れている。
そんな、オランダとベルギーに勝ったと言って有頂天になるとか、本田や長友が凋落著しいセリエAの金満・古豪チームと言うだけで「史上最強」って言ってたのは、野球記者と同じレベルって事だよ。
写真で食えないからって、サッカーに寄生して専門家ぶるのは止めてくださいw

2015年7月17日 16:16

 ↑訂正【南アフリカ大会】(IP:210.198.215.28)

それと、無意味な逆張りで、「幸運を感じた」俺ってカッちょええ、と悦に入るのも、いつもの芸風すな。
あんなつまらない試合に教訓なんてない。そこに幸運を感じるような作文気持ちよくなってる程度の真性マゾは、女子サッカーの試合でも観て、「男子より面白い」「男子はナデシコを見習え」、って言ってるサカ素人向けに記事を書くとか、
それか「シンガポールってSUGEE」つって、「日本人記者はこう見た」って、シンガポールのサッカーが解らない人向けの記事を書くべきでしょう。
いずれにせよ、ピッチ分析を主体としたサカ記者・専門記者の仕事じゃないけど、この筆者にはお似合いだと思いますw

2015年7月17日 16:37

 「幸運を感じた」→東アジア大会最下位(IP:211.134.146.172)

技術・戦術を含めたピッチ分析抜き、
こういう好い加減な作文と精神論で
記事を書くと、どういう恥をかくか
最高の見本だと思います。
日本は、記者としての職業訓練も
受けていない、そして専門記者の専門
知識も持っていない書き手が多すぎる。

2015年8月12日 13:43

(IP:182.249.240.106)


以上が頭の中に蛆が沸いている
産廃レベルの豚がようやく書けた
ウンコ同然の長文です

2015年9月25日 13:27

そんな事だから、自称写真家・マスコット評論家なんだよ(IP:220.41.126.53)

ネットでリサーチ取材中の宇都宮さん↑、巡回ご苦労様です
早く、次の無理筋の作り話、専門記者風にカシコぶった笑える絵日記をお願いしますw

2015年10月26日 06:29

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