【大宮】指揮官の示した”情熱”がもたらすものとは(前編)【コラム/TeamVision】
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■異例の人事、逆転残留への一手
まさに青天の霹靂だった。5日に発表された監督および強化本部長の交代。伊藤彰監督の後任となったのは、昨季のJリーグ優勝監督である石井正忠氏だった。今季2回目の監督交代ということに加え、残り3試合での逆転残留という厳しいミッションを課されての就任であり、異例の出来事と言っていいだろう。
石井監督が決断の理由として強調したのは、クラブ側が示した残留への思い。残された3試合にすべてを懸ける戦いに向け、その力が必要とされたことを意気に感じ、「来季以降も見据えて」というエクスキューズを排して残留のために尽力することを決意した。
「本当に厳しい状況で、大変な仕事だとは思うんですけども、私の経験から、この短期間でもクラブに何かを残すことができればという思いもあって、こういう状況を引き受けることになりました」という言葉にも、その意志がこもる。難しいミッションを託された新指揮官は、すでにクラブの先頭に立つだけの”熱”を帯びている。
現場のトップがこれだけストレートにクラブとチームに対して情熱を注ぐ覚悟を見せた以上、周囲に求められるのは同様の覚悟で応えること。窮状に追い込まれた事実は変えられないが、進む道を変えることはできる。ただ、石井監督の熱い思いに依存するだけでは、本質的には何も変わらない。必要なのは前向きな変化への覚悟だ。
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