J論 by タグマ!

“盲点”になりがちなクラブとしての魅力。観客動員復権のヒントとは?【Jに魅せられて/浦和レッズ編・前編】

一般層におけるレッズの認知度

近年のJリーグは新規ファン層の開拓に向けて積極的に取り組んでいるものの、満員の観衆で埋まる日本代表の公式戦と比べて、まだまだJリーグの動員力にはさまざまな課題が残っている。新規層に響くJリーグの魅力とは何か。その女性的視点で、女性ファン拡大の取り組みを続けている団体が『Jユニ女子会』だ。J論では定期的なシリーズ企画として、Jユニ女子会のメンバーにインタビューを敢行し、Jリーグの新規ファン層拡大のために、私たちができることを検証していく。第6回はJリーグで最多観客動員を誇る浦和レッズから二人のサポーターが登場する。

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(写真・左)
竹内さん
神奈川県横浜市出身。好きな選手は興梠慎三選手、関根貴大選手(いまはいないですが……)。理由はペナルティーエリア内でガツガツ動いて点を取ってくれる&シュートシーンも素晴らしいから。ACLでタイトル争いに絡めていることがとても誇らしいです。力を合わせて絶対優勝しましょう!

(写真・右)
岸村さん
東京生まれ横浜育ち。最近のイチ押し選手は長澤和輝選手。センスあるプレーだけでなく泥臭く懸命で、積極的な姿勢から試合にスパイスを与えるところに惹かれます。座右の銘は『なんとかなる』。残りの試合は、ACL優勝と来年のACL出場権獲得のためにも順位を上げるべく、”12人目の選手”として一生懸命応援し一緒に闘います! We are REDS!

▼一般層におけるレッズの認知度

ーーお二人はレッズサポーターになる前のサッカーとの関わりはどうだったのですか?

竹内さん 私の場合は日本代表の試合を見るぐらいでした。サッカーに対しては、90分を戦って0-0のスコアなんてあり得ない……と思っていました(苦笑)。

サッカーに興味を持ってからは、代表戦を見ることが多くなりましたが、スタジアムに行くというよりは「スポーツバーで見ようよ!」という楽しみ方でした。スポーツバーで周りの人と一緒にワイワイやりながら見ることが楽しかったですね。2011年のアジアカップ決勝で決めた李忠成選手のボレーシュートが記憶に残っています。

岸村さん レッズサポーターになる前は、全然レッズを見たことがなかったですし、代表戦もテレビをつけてやっていれば見る程度でした。90分間は長いな……と思っていて、興味がまったくなかったです(苦笑)。

でも会社で気になっている人のFacebookでの投稿を見たら、埼玉在住でサッカーを見ている人という情報が入ったので、彼に「サッカーを見に行きたいんですけど……」と声をかけて連絡先をゲット。そしてその彼に初デートで連れて行ってもらった試合が、2014年6月1日のJリーグナビスコカップグループステージ最終節・名古屋グランパス戦で原口元気選手の退団セレモニーがあった試合です。レッズとの出会いは彼氏がきっかけでした。

ーーなるほど。”彼きっかけ”ですね。

岸村さん ボーッと試合を見ていましたが、ゴールがたくさん入る試合でとても盛り上がりました(結果は5-2で浦和の勝利)。彼は少々戸惑いながら「普段はこんなにゴールは入らないんだけどね!」と言っていましたね。それからもレッズの試合を見に行くことはありましたが、2014年はリーグ最終節でスタジアムがブーイングに包まれていた記憶ぐらいしか残っていません。最初は勝てばうれしいけど、負けても何も思わなかったのが、ポジションや選手を覚えようとしているうちにどんどんハマっていったんです。いまはクラブが好きだからみんなが好き。誰が欠けても嫌ですね。

ーー埼スタではどの席でご覧になっているのですか?

岸村さん 北ゴール裏です。試合中はピョンピョン飛んで跳ねているので、平日は筋肉痛に悩まされています(笑)。

ーー竹内さんがレッズサポーターになったきっかけは何ですか?

竹内さん 会社のレッズファンの先輩方に誘われて、埼スタでの試合に行ったことがきっかけです。その試合が2013年の大雨の中で行われたジュビロ磐田戦です(4月6日第5節・2-1で浦和の勝利)。ご飯を買ってみんなで食べながら見ることが楽しくて、レッズサポの大きな声援も新鮮でした。連れて行ってくれた会社の人が歌詞付きでチャントを教えてくれましたし、試合も逆転勝ちだったこともレッズにハマった一つのきっかけになりました。

ゴール裏のサポーターを見ていると、「なぜ雨ざらしの中でピョンピョン跳ねながら応援しているのだろう。彼らをそこまでさせるのは何か?」と考え始めると、もう帰りの車の中で「来週も行きません?」と会社の先輩たちを誘っていました。「次はゴール裏に行こうか!」と先輩たちもノリノリで、それからはもう厚木から月1回ぐらいのペースで埼スタに通うようになっていました。あるシーズンのさいたまダービーでは事故渋滞に3つ巻き込まれて、試合が終わった頃にスタジアムに到着するという苦い思い出もあります(苦笑)。

ーーレッズのゴール裏の迫力はクラブの魅力の一つですよね。

竹内さん ゴール裏には一定数の女性もいますし、その一緒に戦っている感が部活に似ているなと思いました。初めて観戦する人と行くときは、ゴール裏で立ちっぱなしであることを嫌がる人もいるので、SB席などで見るようにしています。私は比較的新規のお客さんを開拓しています。意外と「レッズの試合に行ってみたい」という人が一定数はいるんですよね。スタジアムまで連れて行って、「タオマフまで買わせれば勝ち」みたいな(笑)。

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▼応援グッズの王道は、”タオマフ”

ーーやはり応援グッズの入り口は、タオルマフラーなのですね。

竹内さん ユニフォームは高いけど、タオマフならば1,500円程度ですから、手が届きやすいです。

岸村さん 私は何でも買っちゃうな。ハッピ、クッション、フラッグ……。タオマフだけでも大量にあります。レッズは”硬派”で売っているからか、かわいいタイプのグッズが少ないですよね。ハッピは個人的にツボで、北のショップが開いた瞬間に買いに行きましたよ。啓太の引退試合で着ました。

ーー岸村さんはグッズコレクターの一面もあるのですね。

岸村さん 家の廊下には数々のレッズグッズが飾ってあるのですが、ここを通って部屋に入るのが幸せです。家に帰ってもレッズ。テレビのそばにはレッズのエンブレムが飾ってあるので、テレビを見るたびにレッズのエンブレムに触れることができます。

ーー”彼きっかけ”でココまでレッズを好きになるとは……。

岸村さん 笑。ホームである埼スタ、あんなにかっこいいスタジアムはないですよ。(後編へ続く)

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