
【森雅史の視点】2025年11月4日 AFCチャンピオンズリーグエリート MD4 FC町田ゼルビアvsメルボルン・シティFC
ACLE MD4 町田 1(1-1)2 メルボルン
19:01キックオフ 町田市立陸上競技場 入場者数4,401人
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前半だけを見たらこんな結末になるとは思えない内容だった。開始まだ1分にもならないときに町田は昌子源がバックパスをミスして先制点を許す。ところがその後は一方的な町田のペース。ボールを持てば必ずシュートに結びつくほどの攻撃をみせ、24分、相馬勇紀のクロスを望月ヘンリー海輝が左足で蹴り込んで同点にしたのが遅すぎると思えるほどだった。前半だけで町田のシュートは10本。このままのペースなら大量得点が望めたはずだった。
だが、メルボルンは後半から金森健志を投入する。金森は右アウトサイド、ボランチ、トップ下と次々にポジションを変え、町田の勘所を押さえにかかる。後半に入っても町田の攻勢は続いたが、明らかに前半よりも勢いは落ちた。
76分、黒田剛監督は望月に代えて林幸多郎を投入した。望月は「自分のパフォーマンスが落ちたから」と反省の弁を述べたが、その実これで町田の攻撃の形は一つ減ることになった。その後、反撃に転じたメルボルンだったがチャンスは多く作れない。それでも後半アディショナルタイム、CKのこぼれ球を金森がシュートし、そのボールから混戦になったところをアンドリュー・ナバウトに決勝点を決められる。
決められるべきときに決められないときは、最後に相手にチャンスが行く。よく語られる話だが、その言葉がそのままになってこの試合は終わった。何度も聞くセリフどおりではあるものの、実際に目の前にすると信じられないような光景だった。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート

森雅史(もり・まさふみ)

