『川崎vs広島』での選手たちのリスペクトと会見後の質疑応答【審判批評コラム】
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今回は審判批評を中心としたWEBマガジン「石井紘人のFootball Referee Journal」からの記事になります。
無料全文掲載:川崎フロンターレ×サンフレッチェ広島戦での選手たちのリスペクトと会見後の質疑応答【審判批評コラム:レフェリーブリーフィング後編①】(石井紘人のFootball Referee Journal)
2017年07月24日更新
<J2第21節京都サンガFC×ザスパクサツ群馬86分、ザスパ松下の右サイドからのFKを盛田が合わせるが、味方のオフサイドの判定を取られてノーゴールに>
上川徹JFA審判委員会副委員長「これはオフサイドとして得点が取り消されました。
残念な判定で、ファインゴールです。
オフサイドポジションに一人いますが、誰に対しても妨害していない。近くにDFがいますが、DFは自ら動いており、オフサイドポジションの選手が妨害している訳ではない。GKにもインパクトを与えていない。そして、ゴールを決める選手はオンサイドです。
副審は、WAITすべきでした。その選手の近くにボールが来ただけで、旗を上げてしまったことがミスの要因です。」
上川「どうでしょうか?このGKのプレーは、意図的なプレーではあるのですが、GKは意図的なプレーと考えず、意図的なセーブとみます。つまり、オフサイドが適用されます。
このシーンは、間違いなくオフサイドです。副審は、ゴールを決めた選手が、外側に膨らんでいったため、除外してしまっていた。そして、中央のみをフォーカスしてしまった。」
<J1第18節サガン鳥栖×川崎フロンターレ58分、左サイドの車屋がドリブルでペナルティエリア左に進入し、左足で鋭いクロスを入れると、フリーになっていたエウシーニョが合わせ、同点に追い付く>
上川「戻りオフサイドにも見えるシーンです。この真横の映像ではないのですが、ボールの位置、DFの足の位置から見ても、我々は副審の判定をサポートする、真横ではないのでハッキリはいえませんが正しい判定を下してくれたのではないかなと。」
<J1第17節柏レイソル×鹿島アントラーズ90+1分、笛があきらかに鳴った後にボールを蹴った土居に警告>
「一つ遅延行為の事例を。ちょっと遅延行為が多くなってきています。次も、説明が難しいのですが、映像を見て頂ければ。」
<V・ファーレン長崎×愛媛FC58分、長崎のファンマに交代ボードが出る。ファンマが交代に気付いた所で、愛媛FCの交代に移ろうとするが、ファンマはその交代ボードを見て”交代は僕ではない”とピッチに戻る素振りを。主審が交代するように促すも、渋る。第四審判は先に愛媛の交代を行い、もう一度ファンマの交代ボードを出すが、ピッチの外にスムーズに行かず。遅延行為で警告に>
上川「交代が示され、レフェリーがリードします。で、一度出ようとするのですが、相手チームの交代があります。このやりとりが何度かありまして…こういったことが起きていると。
もちろん、第四審判がもっときっちりできたとも言えますが、選手も交代ボードには気づいているので。」
<17分、青山がキッキングのファウルで大島を倒し、さらに倒れた大島を足でつっかけたため、エドゥアルド・ネットが青山を押してしまう。両選手が集まり、対立のシーンになりかけたため、西村主審はすぐに間に入る。
が、両選手がもみ合いになりかけると、争点から距離をとり、監視に入る。今季のスタンダード通りのマネジメント(参考記事:対立が収まらないようであれば、輪から離れて何が起きているか監視します)だ。選手たちも、西村主審にチェックされているのを察知し、自分たちで対立を収める>
上川「これは良いシーンで、選手の対立があったのですが、映像を見て頂ければ。
有難いのは、エキサイトしている選手以外は、選手を守ろう、お互いに対立を大きくしないように努力してくれています。レフェリーも最初は介入しようとするのですが、選手が集まってくるので二・三歩引いて、全体を監視する。副審も近くに来ています。
対立が収まってから、ファウルチャレンジに警告。(相手を強く)押して(対立を作った)選手にも警告。カードの基準も正しいですし、お互い納得してくれている。」
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