
【田村修一の視点】2025年6月10日 FIFAワールドカップアジア最終予選 日本代表vsインドネシア代表
FIFAワールドカップ26アジア最終予選 日本6(3-0)0インドネシア
19:35キックオフ 市立吹田サッカースタジアム 入場者数33,661人
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日本代表がプラットフォーム(土台・環境)の強固さを見せつけた試合だった。
今日の日本は、最大瞬間風速の強さでアジア最強なのではない。もちろんそれもあるが、風速は常に安定し、どんなときでも強く速い風が吹き続けさせられる。Jリーグの創設以来、日本サッカーの土台を豊かに、強固にすることに心血を注ぎ続けた結果——その成果として、100人を超える日本人選手がヨーロッパで活躍している——であり、それを踏まえて選手たちがストレスなく力を発揮できる環境を整えた森保一監督の仕事の結実である。
鎌田大地以外は若手の先発で臨んだオーストラリア戦は、練習時間の短さもあり得点という結果までには至らずW杯予選初の敗北を喫したが、久保建英、遠藤航のふたりが加わるだけでチームは見違えった。遠藤は攻守に安定感をもたらし、鎌田と久保は卓越した攻撃力で違いを作り出した。彼らに導かれる格好で、若い選手たちも伸び伸びと能力を発揮した。
森保自身も認めたように、現状ではベテラン・中核と若手の間には力の差がある。それを今後どう埋めてチーム力を高めていくか。それこそがW杯でベスト8以上の好成績を挙げるための課題であるといえる。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。