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【田村修一の視点】2024年11月19日 FIFAワールドカップアジア最終予選 中国代表vs日本代表

FIFAワールドカップアジア最終予選 中国代表1(0-2)3日本代表
21:00キックオフ 厦門白鷺スタジアム 入場者数45,336人
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日本がアウェーで中国を下した。これで最終予選は折り返し点を過ぎ5勝1分けで勝ち点16の首位。2位タイの4か国(オーストラリア、インドネシア、サウジアラビア、中国)に勝ち点10差をつけて、早ければ来年3月に予選突破が決まる。

 

7対0と圧勝した埼玉での初戦に比べれば、不満足でもあり拮抗した内容だった。森保監督も認めたように、(CKからの2得点がなく)中国の得点が先制点であったならば、結果がどちらに転んでいてもおかしくはない試合ではあった。

 

だが、それぞれのプレーのディテールに現れる両者のレベルの差は明らかで、日本はアジアの中で頭ひとつ突き抜けた存在であることを、改めて示した内容であり結果だった。だいたいがアウェーで3対1の勝利を収めながら批判されるとしたら、それはそれで尋常ではない。たしかに今の日本は、アジアの中でそうした突出した位置にいるのではあるが……。

 

もちろん反省点はある。守備ではカウンターへの対応を改めて迫られ、攻撃では相手の厳しいプレスに、自分たちが得意とするボール回しの形がなかなか作れなかった。また、攻撃の起点であり中心にもなった右サイドに比べ、左サイドの選手たちの動きにキレがなかったのは否めない。ただ、それも、後半の選手交代である程度修正した。

 

当分の間、盤石な強さに欠損の兆しはない。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。