J論 by タグマ!

【田村修一の視点】2025年5月31日 J2リーグ第18節 ジェフユナイテッド千葉vsレノファ山口FC

J2リーグ第18節 千葉 0(0-0)0 山口
14:03キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者数 10,749人
試合データリンクはこちら

 

J2首位の千葉と19位山口の対決はともに無得点のドローに終わった。

 

千葉は正念場を迎えている。リーグ戦前半の戦いはトップで折り返せた。それが可能だったのは、それぞれの試合へのアプローチもさることながら、小林慶行監督のこの2年間のチーム構築と、シーズンを通して勝利を得るには何が必要かを、目的から逆算して考えたマネジメントによるものだった。

 

ただ今、その優位性は、開幕当初ほどには大きくはない。この試合でも勝利により近かったのは千葉だったが、対戦相手が対策を整理して臨んできたときに、ゲームでの優位が結果に結びつかない。もどかしい戦いが続いている。リーグ戦後半の戦いに向けて、すべてをもう一度整理して確認する必要はある。

 

一方、ここまではパフォーマンスが結果に結びつかず下位を低迷した山口は、この数試合でようやく態勢を立て直せたように見えた。コレクティブな守備は、幾度かピンチに陥ったものの、千葉が得意とする攻撃を抑えることには成功した。あとはどう得点を獲るか。コレクティブな構築だけでは限界がある。組織のなかで個の力をいかに発揮できるかが浮上の鍵になる。

 

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。