
【森雅史の視点】2025年5月31日 J1リーグ第19節 FC町田ゼルビアvs横浜F・マリノス
J1リーグ第19節 町田0(0-2)3 横浜FM
14:03キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数10,289人
試合データリンクはこちら
2節前の町田のホームゲーム、第17節柏戦からの続くドラマのような試合だった。
第17節では大雨で東側のピッチに水たまりが出来ていた。町田は前半、いつもとは逆のサイドを取り東側に向かって攻めた。これが功を奏して対戦相手の柏は守備のときになかなかボールが前に出せずに苦労し、その前半の間に町田は3点を挙げて試合を決定付けた。
そしてこの試合の天候も雨。町田は今度も前半東側に向かって攻めた。前半3分に昌子源がヘディングシュートを決めたとき、柏戦では前半4分に林幸多郎が先制点を挙げたことを思いだしたファンも多かったのではないだろうか。しかし、このゴールがVARの介入によって取り消されたあと、試合は別の方向に進み始める。
第17節と違ったのはそのときほど東側に水たまりが出来ていなかったこと。そのため横浜FMは自陣から容易に抜け出すことが出来た。そこから横浜FMは比較的水はけがいい西側のピッチに向かって攻める。そして町田の守備のスライドの穴を突き、23分と27分に遠野大弥が2得点を挙げた。
横浜FMがリードすると、急に雨脚が強くなった。町田は東側のピッチに向かって何度も攻め入るが、最後のところで球足が伸びたり止まったりしてゴールを割れない。しかも後半に入ると今度は雨が次第に弱まり、両サイドのピッチの差があまりなくなってしまった。90+4分、足下の悪いピッチにクリアできず、町田がオウンゴールして試合は終わった。第17節でも柏がオウンゴールしていたことを思い出させるような展開だった。
町田にとって第一章は成功体験、第二章は苦い教訓。第三章はどうなるのだろうか。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート