
【六川亨の視点】2025年5月3日 J1リーグ第14節 浦和レッズvs東京ヴェルディ
J1リーグ第14節 浦和2(2-0)0東京V
15:03キックオフ 埼玉スタジアム2◯◯2 入場者52,429人
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今シーズンの序盤戦はケガ人などでなかなかベストメンバーを組めなかった浦和。初勝利は第5節の岡山戦と時間がかかったが、5月3日の東京V戦で5連勝を飾り、暫定順位ながら2位まで浮上した。好調の原因はスタメンをほぼ固定できたこと。DF陣は右から石原広教、ダニーロ・ボザ、マリウス・ホイブラーテン、長沼洋一、ボランチは安居海渡とサミュエル・グスタフソン、両サイドアタッカーはマテウス・サヴィオと金子拓郎、トップ下は渡邊凌磨、そして1トップは本来左サイドを主戦場とする松尾佑介をコンバートすることで結果を残した。この日は体調不良のグスタフソンに代わって松本泰志がフル出場したが、後半に入り前線の選手を休めて原口元気、中島翔哉、関根貴大らベテラン勢に出場機会を与えてモチベーションを維持しつつ、高橋利樹や二田理央ら出場経験の浅い選手にもチャンスを与えた。これまでマチェイ・スコルジャ監督は5人の交代枠をフルに使い切り、多くの選手に経験を積ませると同時に選手の疲労軽減にも努めてきた。松尾などはチアゴ・サンタナの負傷により第10節の町田戦から1トップを任されたが、この日も先制点を奪うなど5戦全勝でサンタナの穴を十分に埋めてきた。
大型補強で選手層を厚くしても、使われない選手がいれば不満も出てくるだろう。ところがいまの浦和にそうした雰囲気は微塵も感じられない。もしかしてスコルジャ監督は、6月からアメリカで始まるクラブW杯も視野に入れてチームの強化に努めているのではないか。そう感じさせる、9年ぶりのリーグ戦5連勝でもあった。
六川亨(ろくかわ・とおる)
東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。