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【田村修一の視点】2025年2月15日 J1リーグ 川崎フロンターレvs名古屋グランパス
J1リーグ第1節 川崎フロンターレ4(0-0)0名古屋グランパス
15:03キックオフ Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu 入場者数23,005人
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ともに地力があり優勝を狙いうるチーム、重量級同士がぶつかる開幕戦は、くっきりと明暗が分かれる試合内容であり結果となった。
動きの少ないスタティックな前半から、後半一気にプレーの強度を上げたのが川崎だった。ハーフタイムに長谷部監督が何かを大きく変えたわけではない。ちょっとした示唆を与えるだけで、選手は自分たちのやるべきことを思い起こし、後半のピッチ上に具現化していった。選手交代も効果的で、名古屋が受け身に回ったこともありインテンシティはさらに高まった。やるべきことが整理され、新監督のもとかつてのチーム力が戻りつつあることがうかがえる戦いを見せたという点で、素晴らしいスタートを切ることができた。
対する名古屋は、何故か自分たちの本来の戦い方がまったくできなかった。得意とする前線からのプレスもなく、後半は川崎のスピードについて行けずに後手に回り次々と失点を重ねた。チームコンディションの問題ではない。戦術の微調整は必要だが、それ以上にゲームへのアプローチの問題といえる。修正は十分に可能。次節の神戸戦もビッグゲームだが、態勢を立て直して臨めるだろう。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。