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【六川亨の視点】2025年2月8日 富士フイルムスーパーカップ ヴィッセル神戸vsサンフレッチェ広島

富士フイルムスーパーカップ 神戸 0(0-1)2 広島
13:36 キックオフ 国立競技場 入場者数53,343人
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FUJIFILM SUPERCUP2025が2月8日に国立競技場で行われ、リーグ2位の広島が2-0で逃げ切り5度目の優勝を果たした。スタメンがすべての一戦だった。神戸は中2日でACLEの上海上港戦、さらに中3日でJ1リーグ開幕の浦和戦を控えている。一方の広島は中3日でACL2のナムディン戦、そして中3日でJ1リーグの町田戦という過密日程だ。しかしナムディン戦はアウェーとはいえ、神戸とは1日のアドバンテージがある。ミヒャエル・スキッベ監督がほぼベストメンバーを送り出したのに対し、吉田孝行監督は主力であるマテウス・トゥーレル、酒井高徳、扇原貴宏、武藤嘉紀、大迫勇也をベンチに温存するターンオーバーを採用。このため前半は広島のワンサイドゲームだった。前半12分に中野就斗の右クロスからトルガイ・アルスランがヘッドで先制点を決めるなど、神戸の左サイドを蹂躙して攻め立てた。神戸のシュートは齋藤未月の1本だけ。しかしこれはGK大迫敬介の正面をついた。

 

後半は吉田監督も積極的な選手交代から反撃を試みたが、大迫のクロスから冨永虹七のヘッドはGKに防がれるなど広島の堅守を崩すことはできない。広島は後半25分に右CKからCB荒木隼人が追加点を奪い試合をクローズ。後半は押し込まれるシーンもあったが、それでも危なげない試合運びで優勝候補としての完成度の高さを証明した。

 

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。