【森雅史の視点】2024年7月10日 天皇杯3回戦 サガン鳥栖vs横浜FC
天皇杯3回戦 鳥栖 3(1-0)1 横浜FC
18:31キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場 入場者数1,666人
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強風が勝敗に大きく影響した。
前半風上に立った鳥栖は、試合開始直後こそボールをつなぐスタイルで攻めようとしたが、すぐにスペースに出すボールの有効性に気付いた。逆に横浜FCは風下の不利な状況に戸惑い、GKからの組み立てにミスが出て慌ててしまう。そんな中、鳥栖が14分に長沼洋一のクロスを堺屋佳介が頭で合わせて先制し、優位に立った。だがそこから先は横浜FCも粘って追加点を許さない。そして横浜FCが風上に立つ後半、形勢は一気に逆転するのではないかと思わせた。
ところが48分、横浜FCが攻勢に出たところで鳥栖のカウンターが決まり、ヴィニシウス・アラウージョが2点目を挙げる。さらに50分、手塚康平が厳しいチェックからボールを奪うとそのまま運んで左足で3点目を決めた。それでも横浜FCもすぐに反撃し、53分、波状攻撃から高橋利樹がポストからの跳ね返りを決めて1点を返す。そしてその後は横浜FCがペースを握ったが、鳥栖は5バックにして凌ぎきり、次のステージに駒を進めた。
有利と見ればたたみ込み、不利とみれば隙を狙う。そんな鳥栖のしたたかな試合運びがスコアになったと言えるだろう。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート