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【森雅史の視点】2024年6月26日 J1リーグ第20節 FC東京vs北海道コンサドーレ札幌

J1リーグ第20節 FC東京 1(0-0)0 札幌
19:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数15,828人
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84分、右サイドの原川力のクロスに安斎颯馬がマーカーの鼻先で合わせて、ついにFC東京がゴールを挙げた。札幌は前半から体を張ったディフェンスで何度もシュートブロックしていたが、このときだけは間に合わなかった。

 

この試合は、札幌の自滅という部分が大きい試合だった。守備では高い集中力を見せ、菅野孝憲が一切慌てることなく冷静に相手のシュートを捌いていく。ゴールが決まる10分前、74分にも安斎がフリーでシュートを放ったが、菅野が見事にセーブする。これで攻撃陣がゴールを奪えばよかったのだろうが、札幌の問題点は攻撃の組み立てだった。ボールを奪い、前を向き、味方がいいところに走り込んで、そこで出てくるパスが正確性を欠いた。そのため何度もノッキングする。プレッシャーもかかっていない単純な場面でミスが出てしまう姿からは焦りが見て取れた。相手の分析までは正確に出来ているのに、勝てなかった試合。その責を監督にだけ求めるのは難しいはずだ。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート