【田村修一の視点】2024年5月11日 ACL決勝第1戦 横浜F・マリノスvsアルアイン
ACL決勝第1戦 横浜FM2(0-1)1 アルアイン
19:02キックオフ 横浜国際総合競技場 入場者53,704人
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横浜FMがACL決勝第1戦で西地区決勝進出のアルアイン(UAE)を2対1で下した。
アルアインが優れたチームであることは、試合開始直後からわかった。スピードとインテンシティ、攻守におけるトランジションの速さと1対1の強さでアルアインはマリノスを苦しめた。先制点(14分、モハメド・アルバラーシ)もその流れの中で決められた。
だが、後半になると、アルアインは徐々に選手層の薄さを露呈し、先発メンバーが疲労で運動量が落ちても選手交代ができない。ようやく交代したのは、試合終了間際(92分)でそれもひとりだけだった。エルナン・クレスポ監督は、試合の流れから選手を代える必要があるとは思えなかったと終了後の会見で語ったが、アルアインベンチの交代要員に投入できる選手がいなかったであろうことは明確に見て取れた。脚が止まったアルアインに対し、選手交代で次々とフレッシュな戦力を投入した横浜FMが、植中(72分)と渡辺(86分)のゴールで試合をひっくり返したのは、当然の結果であるといえた。
エドゥアルドと畠中の負傷でセンターバックの守備に不安は残るが、アウェーでも安定したパフォーマンスを発揮して、昨シーズン浦和レッズが獲得した優勝トロフィーを、ぜひ日本に持ち帰って欲しい。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。