J論 by タグマ!

【森雅史の視点】2024年4月20日 J1リーグ第9節 川崎フロンターレvs東京ヴェルディ

J1リーグ第9節 川崎F 0(0-0)0 東京V
16:03キックオフ Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu 入場者数21,732人
試合データリンクはこちら

 

ともに無得点ながら、非常に締まった試合だった。

 

ボールコントロールを誇る両チームとあって、川崎、東京Vともに安易なミスがほぼない。そのため、どちらのボールとも言えない曖昧な時間が少なく、どちらかのチームがボールを奪って攻める場面が続いた。しかも接触プレーを厭わず、もしくは積極的に絡みに行くため、迫力も満点。判断力もあって相手が詰めてくればダイレクトパスをつないでかわし、相手がやってこないと見れば自らドリブルで運ぶ。シュートは合計24本(公式記録)飛び交い、ファウルは合計34回と少なくなかったことからも、この試合で両チームが激しく攻め合っていたことが分かるだろう。

 

ただし、同時にこの試合が無失点で終わったということから、誰もその中で抜きんでた活躍が出来なかったということも言える。抜け出してもシュートを大きく外すなど、勝負所での集中力が続かなかった。川崎に関しては、後半になると守備ラインと前線までの距離が大きく広がり、縦パスが出てこなくなった。DFにケガ人が多く、守備を安定させるために慎重になっているのだろうと推測できるが、川崎のマジックのようなパスワークが見られないのは残念だ。東京Vは川崎を上回る攻撃回数を見せたが実らず。ダイレクトパスの上手さで川崎を翻弄する場面もあったものの、残り時間が少なくなると急に運動量が落ちた。それでも今季初のクリーンシートだったのは、次第にチームがJ1に慣れてきたことを意味している。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート