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【田村修一の視点】2024年3月3日 J1リーグ第2節 浦和レッズvs東京ヴェルディ

J1第2節 浦和レッズ1(0-1)1東京ヴェルディ
16:04キックオフ 埼玉スタジアム2002 入場者50,863人
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ともに開幕戦を落としたチーム同士の対戦は1対1の痛み分けに終わった。だが、今後の展望に関しては、どちらも不安を抱かずにはいられない内容であり結果だった。

ホームの浦和は、前半は完全に攻めあぐんだ。守備におけるプレスの密度と強度、攻撃時のスタティックでスローな展開の落差は驚くほどに顕著で、攻撃は監督の意図がピッチ上でまったく実現されていないのが明らかだった。後半は選手とシステムを変更しながら強度を高めたことで、攻撃もゴール前まで迫れるようにはなったが、サイド攻撃やMFの攻め上がりが監督の望む形で展開されたとは言い難かった。時間とともに解決できることであるのか否か、ヘグモ監督の手腕に期待したい。

一方、東京Vは、初戦同様に先制しながら終盤に同点に追いつかれた。選手は監督の戦術と戦略をよく理解し、持てる力を十二分に発揮している。だが、その強度を90分間持続できないのは、選手層の薄さが如何ともしがたいからである。城福監督はリーグを戦いながら選手を育てていくと語っているが、それが簡単でないことは監督自身がよくわかっている。レッズと同じくこちらも監督の手腕に期待したい。

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。