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【森雅史の視点】2023年11月12日 J1リーグ第32節 横浜F・マリノスvsセレッソ大阪

J1リーグ第32節 横浜FM 2(2-0)0 C大阪
14:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数37,204人
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両者の違いがスコアに表れた。セレッソ大阪の選手たちは個人技に長けている。そのぶん1人でやることが多い。ボールを奪ったDFがドリブルで2人かわしてパスを出すという場面もよくある。対する横浜F・マリノスにもテクニシャンが揃うのだが、やっていることはもっと単純化されていて、別の役割の選手がすぐ隣にいる。そのためあまりドリブルをしなくていい。自分でボールを運ぶのは、フィニッシュが見えているときだけでいいのだ。

だからC大阪の選手たちは見ていておもしろい。見ていて思わず「うまい」とつぶやいてしまうプレーを見せてくれる。横浜FMは小気味いいという言葉が当てはまるだろう。ボール奪取からあっという間に相手陣内に入っていく。両者とも伝統と言っていい特長で、その色の違いが対戦を面白くしてくれる。

もしもC大阪のフィニッシュ、あるいはフィニッシュに至る一つ前のプレーの精度が高ければ、もっと接戦になったに違いない。だがC大阪の組み立てはすべて横浜FMにしっかり抑えられてしまった。前半アディショナルタイムにカウンターで横浜FMが追加点を取った時点で勝負あり。負傷者続出の苦しい台所事情ながら、横浜FMは前年度王者らしい堂々とした戦いぶりで神戸に食らいついている。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート