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【六川亨の視点】2023年9月15日 J1リーグ第27節 川崎フロンターレvsFC東京

J1リーグ第27節 川崎フロンターレ1(0-0)0FC東京
19:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者20,284人
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多摩川クラシコを迎えるに当たり、両チームは9勝6分け11敗の勝点33で並び、得失点差で川崎Fが9位、FC東京が10位という状況だった。数字の上では両チームとも優勝の可能性も、降格の危険性もあるが、それは戦力を見れば現実的な話ではないことがわかる。つまりは両方の可能性ともかなり低いということだ。そうなれば、勝負へのモチベーションを保つことは難しい。ピーター・クラモフスキー監督が「接戦だったと思うが、何か多くのモノがあったわけではない」と試合を振り返ったように、特に前半は互いに決め手を欠き、チャンスらしいチャンスを作れないまま45分間を終了した。

ギアを上げるべく迎えた後半戦、川崎Fは9分にマルシーニョの個人技から先制点を奪った。クラモフスキー監督が就任して、失点した試合では1度も勝ったことのないFC東京だけに、川崎Fにとってはこれで十分だった。川崎Fにしてみれば、7月15日の横浜FM戦(1-0)以来、リーグ戦は2ヶ月も勝利から遠ざかっている。勝利への渇望に加え、19日にはACLの初戦を控えているだけに、メンタル面で両チームには大きな差があった試合でもあった。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。