【森雅史の視点】2023年7月22日 J2リーグ第27節 FC町田ゼルビアvsジェフユナイテッド千葉
J2リーグ第27節 町田 1(0-2)3 千葉
18:03キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数5,225人
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町田の完敗だった。
すべてが始まったのは10分。高木俊幸が蹴った低い弾道のFKを鈴木大輔が右足で会わせて、千葉が先制する。すると町田は焦りが前面に出た。まるで終了間際のようにロングフィードを前線の2人にめがけて蹴り込んで同点ゴールを狙おうとし、さらには前後のバランスを崩して前に出て行く。そのためいつものように相手を挟み込むような守備ができなくなり、逆に千葉のカウンターに晒され続けて守備陣に大きな負担がかかった。
さらには池田樹雷人のハンドによるPK、ポープ・ウィリアムのファンブルによるダメ押し点と今季初めての3失点。個人のミスのように見えるが、実際は町田ご自慢のチーム一丸となった守備が崩壊していたからに他ならない。どれだけバタバタしていたか、ここまで1試合平均7.6本のシュートしか浴びてこなかったチームが、千葉には11本シュートを打たれていることからも明らかだ。
ここまで王者の強さを見せてきたチームが弱さをさらけ出した。今後の試合に大きな影響を与えるのは間違いない。J2の猛者たちが舌なめずりをしている様が見えるようだ。しかも次は相性の悪い徳島。前回の対戦でも敗戦を喫している。町田にとって昇格に向けた大きな山場がやって来た。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート