【森雅史の視点】2021年4月14日 J1リーグ第19節 川崎フロンターレvsアビスパ福岡
J1リーグ第9節 川崎フロンターレ 3(1ー1)1 アビスパ福岡
19:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数6,958人
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前半、川崎は昨季守備力を生かしてJ1への切符を手にした福岡の忠実な守備で攻撃の芽を次々に摘まれた。福岡のパスミスからボールを奪ってもすぐに囲まれ、また激しいチャージを容認する判定基準もあって攻略に手こずる。19分に遠野大弥のシュートが福岡の選手に当たって先制点を挙げたものの、前半終了間際にエミル・サロモンソンから見事にFKを決められて同点とされた。
だが後半に入ると川崎はメンバーを変える前に、位置を調整してギアを入れ替えた。特に前半は小林悠が外に開き、内側に山根視来が入り込もうとしていたのを、小林が内側に入って山根が外を使うことで福岡を混乱させ、一気に優位に立つ。この修正について鬼木達監督は「狙いどころは言えない」と口を濁しつつ、「どこを狙うのか選手に伝える中でそうなった」と采配が的中したと明かした。この柔軟さに加え、途中から三笘薫、家長昭博、レアンドロ・ダミアンを投入するなど選手層の厚さも見せつけ、終わってみれば3-1。この試合でも川崎の強さは圧倒的だった。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート