【六川亨の視点】2023年5月6日 ACL決勝第2戦 浦和レッズvsアルヒラル
ACL決勝第2戦 浦和レッズ1(0-0)0アルヒラル
18:01キックオフ 埼玉スタジアム2○○2 入場者数53,374人
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6日の東京は、汗ばむほど暑かった。と同時に風も強かった。埼玉スタジアムへ向かう外環自動車道も「横風注意」の警報が出ていた。そしてスタジアム内もアウェーのゴール裏からホームのゴール裏へ向けて強風が吹いていた。アル・ヒラルが前半、風上を選択したのは当然の策と言える。
テクニシャンのアンドレ・カリージョのゲームメイクから、左FWアブドゥラー・アルハムダンと左SBモハンメド・アルブライクが幾度となく浦和の右サイドを崩しにかかった。風下の浦和はマイボールになってもミドルサードを突破できず、可能性のないタテパスを前線に送るだけ。ひたすら耐える立ち上がりの20分間だった。
前半のアル・ヒラルの決定機は3回。にもかかわらず失点しなかったのはGK西川周作がスーパーなセーブを連発したからだ。そして風上の後半、浦和はラッキーな形から決勝点を奪った。FKからMF岩尾憲のタテパスをCBマリウス・ホイブラーテンがヘッドでゴール前へ折り返すと、FW興梠慎三はヘディングシュートを試みた。しかしボールは高くて興梠のヘッドはかすりもしない。ところが興梠の背後でゴールカバーに飛び込んだカリージョの足にボールが当たり、OGで浦和が待望のゴールをモノにしたのだ。
その後も浦和は風上のアドバンテージを生かして攻め込んだが、シュートに正確性を欠いて追加点を奪えない。試合終盤はアル・ヒラルの猛攻にさらされ、後半アディショナルタイム1分にはパワープレーのこぼれ球からFWオディオン・イグアロに至近距離から決定的なシュートを放たれたが、ここでも立ちはだかったのがGK西川だった。見事なブロックでゴールを死守してACL3度目の戴冠の立役者となった。
六川亨(ろくかわ・とおる)
東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。