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【田村修一の視点】2023年4月22日 J2リーグ第11節 大宮アルディージャvs清水エスパルス

J2リーグ第11節 大宮アルディージャ0(0-1)3清水エスパルス
14:03キックオフ NACK5スタジアム大宮 入場者9,316人
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結果的には清水の快勝となったが、勝負を分けたのは個のクオリティだった。攻撃陣に個人能力の高い選手たちを並べた清水と、コレクティブでアグレッシブではあるが個の力では違いを作り出せない大宮。戦術や連携では同等でも、個のクオリティが加わることでチャンスを作り出せる清水とそうでない大宮。清水の先制点は、中盤で大きく逆サイドの岸本にボールを振った乾が、そのままゴール前に進出して折り返されたクロスをヘディングで決めた。2点目も乾から同様のパスを受けた岸本がゴール前に折り返し、チアゴサンタナのシュートのこぼれ球を中山が冷静に流し込んだ。

トップ下でプレーした乾は、これまでとはイメージが変わった。チーム全体を視野に収めながら攻撃をオーガナイズしゲームコントロールをする。まだぎこちなさはあるが、今後は熟練していくだろう。

一方の大宮は、アンジェロッティが復帰するまで前線の非力は否めない。よりコレクティブな戦いをしていかない限り、上位進出は難しいかも知れない。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。