【森雅史の視点】2023年3月4日 J1リーグ第3節 川崎フロンターレvs湘南ベルマーレ
J1リーグ第3節 川崎 1(0-0)1 湘南
13:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数 21,171人
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試合開始からタイムアップまで、緊迫感のある好ゲームだった。湘南が次々に前に飛び出し、川崎がいなして逆襲するという構図は90分間変わらなかったものの、1つのミスが勝負に直結しそうだというヒリヒリとした空気感が両チームに漂う。もちろんお互いにいくつかのミスは生まれたが、全員の集中力が高いためカバーが素早く、なかなか決定機が生まれない状況が続いた。
試合を白熱させた大きな要因は湘南の好調ぶりだと言えるだろう。細かな局面でも技術に勝る川崎を相手に一歩も引かず果敢に前に出た。そして的確な判断力と技術で川崎を追い詰めた。64分、永木亮太のパスを平岡大陽がトラップすると落ち着いて相手をかわしてミドルシュートを突き刺す。だが劣勢をはね返す力は抜群の川崎は81分、瀬川祐輔のパスに湘南が慌てたところを拾い、落ち着いて流し込んで同点にする。
その後両チームともチャンスを作ったが、スコアは動かず激闘は終わりの時を迎えた。この試合で両者が負ったダメージは大きい。川崎はジェジエウを、湘南は大橋祐紀を負傷で交代させることになったのだ。そのことがどれほどの激闘だったかを一番物語っている。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート