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【六川亨の視点】2023年3月4日 J1リーグ第3節 浦和レッズvsセレッソ大阪

J1リーグ第3節 浦和レッズ2(0-1)1セレッソ大阪
15:05キックオフ 浦和駒場タジアム 入場者数18,437人
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浦和がリーグ戦で開幕連敗スタートとなるのは2008年以来15年ぶり。さらに埼玉スタジアムは芝生の張替え工事で使用できず、J1のホーム開幕戦を浦和駒場スタジアムで迎えるのは2003年以来20年ぶりのことだった。

試合は浦和がGK西川周作やCBアレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテン、ボランチ岩尾憲らが自陣からのビルドアップで、ワンタッチのパスを織り交ぜることでC大阪の前線からのプレスを無効なものにした。しかし攻撃に時間をかけたことで、C大阪は迎撃準備を整えて待ち構えていた。そしてマイボールにすると鋭いカウンターを見舞う。浦和の選手は自陣に向かって走りながらの対応に追われたため、どうしてもマークがルーズになる。前半33分にはMF為田大貴のクロスが岩尾のOGを誘発。浦和は3試合連続して先制点を献上した。

マチェイ・スコルジャ監督は、後半に入ると4-2-3-1からMF大久保智明をFW興梠慎三と2トップを組ませる4-4-2にシステムを変更。ドリブラーの大久保がサイドに固定されることなく仕掛けたことで、興梠へのマークも緩む。こうして後半15分、右SB酒井宏樹のスルーパスに抜け出した興梠が倒されてPKを獲得すると、これをショルツが確実に決めて1-1の同点に追いついた。

浦和にとってラッキーだったのは、20分に為田のクロスからレオ・セアラがフリーで2点目を決めたものの、VARオンリーレビューの結果、オフサイドにより取り消されたことだ。そしてここから両チームの監督とも積極的な選手交代で勝点3を狙いに行くが、交代策が的中したのはスコルジャ監督だった。興梠に代えてブライアン・リンセン、MF小泉佳穂に代えてMF安居海渡、大久保に代えてDF荻原拓也を投入し、再び4-2-3-1に戻しつつ、左SB明本考浩のポジションを1つ前に出した。

すると37分、リンセンのクロスを競った右MF関根貴大がこぼれ球を粘ってトップ下のポジションに入った安居につなぐと、「力を抜けて蹴れていた」という安居が冷静にコントロールシュートをゴール右上に突き刺す。安居にとってJ1リーグ初ゴールが貴重な決勝点となり、浦和が連敗を止めて今シーズン初勝利を逆転で飾った。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。