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【森雅史の視点】2023年2月11日 FUJIFILM SUPER CUP 横浜F・マリノスvsヴァンフォーレ甲府

FUJIFILM SUPER CUP 横浜FM 2(1-1)1 甲府
13:35キックオフ 国立競技場 入場者数 50,923人
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新シーズンの幕開けを伝えるFUJIFILM SUPER CUPはJ1リーグ覇者の横浜FMが天皇杯勝者の甲府を2-1と退けた。J2からの参戦となった甲府は前半終了間際のゴールで同点に追いついたが、最後は力尽きた。

試合内容もさることながら、この試合では今後の改善が必要な大きな点があった。前半44分、甲府の同点ゴールが決まった場面でVARが介入。確認までに約6分間の時間が必要となった。確認までの時間がかかったことも問題だが、この試合から3Dでオフサイドを確認しており、しばらくはこれまでよりも時間がかかっても仕方がないと言えるだろう。

問題は待っている間、観客は何が起きているか分からないことだ。最後は主審がオンフィールドレビューを行ったが、それも何を確認しているか分からない。

実は今年の判定基準をメディアに説明するとき、要望として出したことがある。それは「現在何を行っているか、文字情報でもいいからスクリーンに映し出してほしい」ということ。この日の「待ち時間」にも何が行われているか、「オフサイド1確認中」「オフサイド2確認中」などと出してくれれば、観客は手持ち無沙汰にならずにすんだだろう。また試合後に野々村芳和チェアマンが「VARで待つ間にこの場面のビデオでもスクリーンに映せないか」とその場で要望したと明かしたが、Jリーグは各チームに興行権があるため、すべてのチームが同じような場面でビデオを流せるかどうかは分からないという。

ここはチェアマンが指導力を発揮して、各クラブでVAR導入のときには該当場面のビデオを流すように出来ないだろうか。早急に解決してほしいポイントが見えたと言えるだろう。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート