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【田村修一の視点】2022年9月3日J1リーグ 第28節 FC東京vs横浜F・マリノス

J1リーグ第28節 FC東京 2(0-2)2 横浜FM
19:08キックオフ 味の素スタジアム 入場者数 29,034人
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前半は横浜FMペースの試合が、後半になると様相が一転した。FC東京のアグレッシブなプレスもしっかりと受け止めて、自分たちの流れに持ち込める強さと懐の深さが横浜FMにはある。横浜FM同様にスピーディで強度の高い組織的なスタイルを志向するFC東京に自分たちのサッカーをさせず、完全に主導権を握って2対0で前半を折り返した。ところが後半になると、選手交代によりFC東京の個の力が炸裂した。攻撃陣の縦への推進力に横浜FMは受けに回るばかり。あっという間に同点に追いついたが、横浜FMの選手交代と2得点の塚川の負傷退場によるFC東京のシステム変更で試合は再び横浜FMのペースに。最後の瞬間までゴールをこじ開けようとする攻めは圧巻だったが、得点には至らなかった。サッカー本来の面白さ、Jリーグのクオリティを堪能できた試合だった。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。