【田村修一の視点】2021年9月29日 J1リーグ第28節 川崎フロンターレvsヴィッセル神戸
J1リーグ第28節 川崎フロンターレ 3(0ー1)1 ヴィッセル神戸
19:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数4,932人
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中盤――ボランチの構成力に差が出た試合だった。山口蛍とサンペールを欠く神戸は、新人(19歳)の櫻井辰徳と本来はセンターバックの大崎玲央を起用。だがふたりは攻撃の起点にはなれず、守備でも相手の攻撃の芽を摘むまでには至らなかった。同じく新人ながら、アンカーとしての役割を着実に果たし、確かな戦力となっている川崎の橘田健人との違いは際立っていた。三浦監督に交代を告げられピッチを去る櫻井は涙をこらえきれなかった。持てる力をまったく発揮できなかった悔しい思いから感極まったのだろう。この悔しさこそが、これからの成長の糧になる。今後に期待したい。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。