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【六川亨の視点】2022年5月14日 J1リーグ第13節 川崎フロンターレvsアビスパ福岡

J1リーグ第13節 川崎フロンターレ 2(0-0)0 アビスパ福岡
16:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数16,704人
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ACLはグループステージで敗退したものの、その影響から5月は中2日か3日の連戦が5試合と、6月1日には天皇杯の初戦(2回戦)が待っている。鬼木達監督も「この連戦が大きなウエイトを占めているので、一発目に勝てたのは大きい」と福岡戦の勝利を評価した。

2-0で勝ったことはもちろんだが、前節の清水戦では脇坂泰斗が、福岡戦では遠野大弥ら「インサイドハーフが点を取り始めたのは大きい」と今シーズンの初ゴールについても指揮官は言及した。川崎Fは立ち上がりから右SB山根視来、インサイドハーフの脇坂、右FWの家長昭博の3人がトライアングルのポジショナルプレーで福岡の左サイドを崩しにかかった。時には左インサイドハーフの遠野も右サイドに顔を出して福岡を混乱させた。しかし福岡DF陣を完全に崩すことはできず前半を0-0で折り返す。

ところが後半10分、家長の右スローインからレアンドロ・ダミアンがヒールで戻したボールを山根がタテに入れると、ゴール前の遠野は全くのフリー。迷うことなく右足を振り抜いて先制点を決めた。『気がついたらいつの間にかフリーにしていた』という、ここ数年の川崎F得意の攻撃パターンによるゴールだった。

今シーズンのリーグ戦では2ゴール以上奪ったことはなく、昨シーズンのような爆発力は陰を潜めている。三笘薫や旗手怜央らが抜けた影響もあるだろう。それでも鬼木監督が指摘したように、インサイドハーフがゴールという結果を出したのは好材料だ。さらにジョアン・シミッチも清水戦に続き交代出場ながら、広い視野で攻撃の“潤滑油”となった。「今がこのチームは伸びるタイミングであると思う。勝つことが自信につながる」と鬼木監督。4度のリーグ制覇を達成した指揮官が反撃の狼煙をあげた福岡戦だった。

 

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。