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家本政明レフェリーの功績って?『体育会TV』(TBS)の「サッカー界が激震!Jリーグ史上最も嫌われた審判の引退」が話題に!

■家本政明レフェリーの功績とは?

1965年、日本サッカー協会(JFA)はサッカーの競技レベル向上を目的に日本サッカーリーグ(JSL)を発足させる。当時の試合を担当する審判員はというと、無給のボランティアだったと言われている。

「Jリーグ開幕が近づいて、選手はプロになった。けど、審判は? みな、アマチュアですよ。開幕する直前(JSL後期の一試合一万円)までは、今のように審判員に対する手当てもなかった。もちろん、海外だってプロの審判員がいる国は当時少なかった。ただ、プロのリーグがあって、そこでレフェリングする審判員のプロ意識も高かった。そんな審判員にFIFAはもちろん、現地の人たちも敬意を持っている。では、当時の日本は? 審判が敬意を受けていた? とんでもない。一に選手。二に監督。三四がなくて、五がサラリーマンをやりつつサッカーに関わることで、六に審判です(笑)。サッカー界すべてが未熟だった。当時の人たちに聞いてみればわかりますよ。審判員だけに問題があったといえば簡単ですけど、当時の全てに問題があったんです。」
https://www.targma.jp/fbrj/2015/06/01/post4117/

Jリーグ開幕直後の審判員について、FIFAワールドカップやEUROを担当したレスリー・モットラム氏は、ジーコ氏との対談で下記のように語っている。

モットラム氏:日本人レフェリーは、例えばビスマルクの前では、萎縮していた…

(中略)

ジーコ:私が更に最近感じていることは、代表選手と、外国人又は他の日本人選手が犯した同じラフプレーに対しての判定の差が大きいことです。外国人は罰せられ、代表選手はお咎めなし…。

モットラム:そう…、もしかしたらね。更にその問題も存在します。それを変えようとしており、日本人レフェリーに基準を持たせるように試みています。どんな選手がファールを犯したかには関係なく、普通、警告又は退場に値するプレーなのかの判断基準です。世界中でレフェリーが批判を浴びているのは一貫性の無さに対してであり、中には個人基準を持っている者も存在します。
http://zico.cocolog-nifty.com/news/entrev/entr_LESLIE_MOTTRAM.html

モットラム氏は1996年からJリーグ担当レフェリーとなり、1998年から4年連続で優秀主審賞を受賞し、引退後は2002年から2005年までJFAチーフ審判インストラクターを務めた。
そして、日本のレフェリーに『強さ』と『判定力』を求めた。その試みに対して、賛否両論あるだろうが、ジーコ氏は対談で「レフェリーは進化を遂げた」と語っている。

『強さ』や『判定力』を突き詰めることで、ファウルに見える行為をファウルとして取り締まるようなジャッジになってしまった部分もあるかもしれない。

その過程でJFAと契約するプロの審判員となったのが家本政明氏で、引退後、『体育会TV』(TBS)など各媒体で当時の苦悩を明かしている。

では、そんな家本氏の功績とは何なのか?

一つは『強さ』が必要と言われてきたレフェリーの本質を突き詰め、レフェリーの『コミュニケーション能力』を体現したこと。選手に寄りそう時もあれば、難しい場合はラインをひく。

もう一つは『判定力』に競技規則の精神を加え、『エンパシー』を駆使した最小の笛でジャッジをしたことだ。

その家本氏の功績、レフェリング技術が詰め込まれたのが、DVD<レフェリー ~監督や選手とのコミュニケーションの舞台裏> 「美しいフットボールを委ねられたプレーヤー、そのコミュニケーション」である。
https://www.targma.jp/fbrj/2022/03/24/post11762/

Jリーグをもっと楽しく見るために、レフェリーの世界に足を踏み入れてみては如何だろうか?