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【六川亨の視点】2022年2月26日 J1リーグ第2節 浦和レッズvsガンバ大阪

J1リーグ第2節 浦和レッズ0(0-0)1ガンバ大阪
15:01キックオフ 埼玉スタジアム2002 入場者数16,121人
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リカルド・ロドリゲス監督が就任して2年目の浦和と、今シーズンから片野坂知宏監督が指揮を執るG大阪では、チームの完成度に差があるのは仕方がないだろう。特にG大阪は昨シーズンの4-4-2から3-4-2-1にシステムを変更してチーム作りに取り組んでいるのだから、浦和がボールの支配率を高めて試合をコントロールしたのは当然だった。

しかし浦和の3度の決定機はいずれもGK石川慧のファインセーブに阻まれる。3本ともジャストミートしたシュートだったが、時には当たり損ねのようなシュートの方がGKもタイミングを狂わされて決まることもある。そういう意味では1トップを務めた江坂任も得点感覚に優れているとはいえ、生粋のストライカーではない。やはりキャスパー・ユンカーの不在と、彼のバックアッパーとなるストライカーを獲得できなかったのは浦和にとって痛手と言っていいだろう。

一方のG大阪は後半開始の選手交代が効果的だった。1トップに起用されても居場所を見つけられないレアンドロ・ペレイラに代えて「機動力のある」(片野坂監督)山見大登を、「4」の右ウイングハーフの柳澤亘に代えて「ボールを持てる石毛(秀樹)を入れて何とか自分たちのペースにしよう」(片野坂監督)という狙いが的中した。

石毛を柳澤のポジションではなく「2」の右インサイドハーフに起用し、そのポジションにいた小野瀬康介を右ウイングハーフにコンバートした。これによりG大阪の攻撃には幅ができると同時に、2人のコンビネーションから浦和の左サイドを崩せるようになった。

そしてもう1点、見逃せないのが後半36分に今シーズン徳島から浦和に加入したボランチの岩尾憲の退場だった。33歳のベテランである岩尾はDFラインに落ちてゲームメイクでチームをリードしたが、前半30分に警告を受けると、後半36分にはアフタータックルで2枚目の警告を受けてしまう。いずれのファウルもG大阪のカウンターを阻止するチームプレーだったが、後半36分のプレーは味方選手もカバーに入っていただけに、不用意なファウルだった。

こうして不利な状況になった2分後、交代出場の福田湧矢に決勝点を許してしまう。23日の第9節、神戸戦で2-1とリードしながら明本考浩がラフプレーから一発退場になって同点に追いつかれた時と同じようなシチュエーションだ。さらに福田のシュートにGK西川周作は反応したものの、CB岩波拓也の足に当たってコースが変わる不運も重なった。

この結果、浦和は3試合を消化して勝点1の16位に甘んじている。次の試合は3月2日の第20節・川崎F戦だ。横浜FMに2-4で敗れたものの、第2節では鹿島にきっちりと2-0で勝って首位に立っている。スタートダッシュに失敗した浦和にとっては今シーズンの行方を占う一戦となるかもしれない。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。